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暗殺された元スパイの妻、露の将来を悲観「問題はプーチン主義」


 英国で2006年に暗殺された元ロシア連邦保安庁(FSB)のリトビネンコ中佐の妻マリーナさんが24日、ロシアのウクライナ侵攻1年に合わせ、ロンドンで記者団の取材に応じた。マリーナさんは、仮にプーチン露大統領が退場してもロシアに残る「プーチン主義」が問題だと指摘。その内容について「人々の意見を対立させ、互いに争わせ、その間に自分は利益を取る手法だ。だからこそ今は(欧米の)団結が必要だ」と述べた。

 旧ソ連の情報機関・国家保安委員会(KGB)の情報員だったリトビネンコ氏は、後継組織のFSBの腐敗を告発し、00年に英国に亡命。その後、ロンドンのホテルで猛毒の放射性物質ポロニウムを盛られて死亡した。英国側は旧KGB職員が暗殺に関与したと指摘するが、ロシア側は否定している。

 マリーナさんは「プーチン氏が仮に死去すれば、一見それは最善のシナリオに思える。だが問題はプーチン主義。後任にはそれを引き継ぐもっとひどい指導者が就く可能性もある」と述べ、ロシアの将来に悲観的な見方を示した。

 また、夫が殺害された06年やウクライナ南部クリミアがロシアに一方的に併合された14年の段階で、「なぜ西側は強力な制裁を科さず、ロシアとビジネスを続けたのか」と欧米側の過去の対応の甘さも批判した。【ロンドン篠田航一】

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