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プーチン大統領、国民に戦闘継続への支持と結束を呼びかけ 年次報告


 ロシアのプーチン大統領は21日、議会上下両院への年次報告演説に臨み、ウクライナでの「特別軍事作戦」に関連した現状と今後の見通しを説明した。ロシア軍は苦戦を続けているが、作戦開始から24日で1年の節目を控え、国民の幅広い層に戦闘継続への支持と結束を呼びかけた。一方的な併合を宣言したウクライナ東・南部の4州については、今後もロシア領として死守する考えを示した。

 プーチン氏は演説冒頭で、ウクライナの政権が2014年以降に東部ドンバス地方(ドネツク、ルガンスク両州の一帯)で地元住民への攻撃を続けてきたと主張。欧米諸国もロシアを封じ込めるためにウクライナを利用してきたとして、ロシアが22年に始めた軍事作戦の正当性を改めて訴えた。

 ロシア国防省は22年秋に約5900人の死者が出たと発表した後、軍の犠牲者数を明かしていない。プーチン氏は戦死者の遺族への見舞金や従軍した兵士の手当を強化すべきだと訴えた。またロシアが22年秋に一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の状況にも言及。これらの地域に派遣された義勇兵、報道関係者、教育関係者などに謝意を表し、軍事作戦への支持を訴えた。

 ロシア軍は侵攻開始後の早い段階でウクライナ東・南部で支配地域を広げた一方で、首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗し、22年3月末ごろまでに周辺地域から撤収を余儀なくされた。9月になると、北東部ハリコフ州の広範な支配地域を奪還され、軍は深刻な人員不足を露呈した。プーチン氏は軍事力を整備していく必要性に触れ、国防産業などを強化すべきだと主張した。

 欧米諸国などは侵攻開始後に対露制裁を繰り返し発動してきた。プーチン氏は今後の対応策として、中国やカザフスタンにつながる交易路や、パキスタンやインドまでを結ぶ交通路の開拓に取り組むべきだと言明。欧米以外の国々との関係を拡大し、経済再建に取り組む立場も示した。

 00年に大統領に初当選したプーチン氏は首相に横滑りしていた時期(08~12年)を除いて再選を重ね、現在は通算4期目。20年7月には憲法条項を改正させて、24年の任期後も再出馬できる環境を整えた。この後も再選していけば、最大2期12年の大統領を続け、36年まで大統領の座に残れる。この日の演説では、24年に次回の大統領選が予定通りに実施される方針を示し、再選への意欲もにじませた格好だ。

 露大統領による年次報告演説は、米大統領の一般教書演説に相当するといわれている。ロシア憲法では毎年の報告を義務づけているが、プーチン氏は22年に理由を説明しないまま見送っていた。プーチン氏は首相に横滑りしていた期間を除き、21年まで毎年、この義務を果たしてきた。しかしウクライナでの軍事作戦の状況が思わしくないことから、報告を見送ったともみられてきた。今回は侵攻開始から1年を迎えることから、年次報告に踏み切った格好だ。【モスクワ大前仁】

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