特定秘密漏えい、ＯＢの元海将依頼＝関与の１佐、午後にも処分―防衛省

　海上自衛隊の１等海佐が特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を外部に漏えいした疑いがある問題で、情報提供を働き掛けた海自ＯＢは元海将だったことが２６日、政府関係者への取材で分かった。自衛隊の捜査機関である警務隊は同法違反容疑での立件を視野に調べており、１佐のほか、関与したとみられる別の隊員や退職した元幹部らからも事情を聴いている。 　防衛省は同日午後にも、１佐ら関係した隊員の懲戒処分を行う方針。　 　政府関係者によると、元海将は安全保障に関する情報提供を、海自の知人に依頼。そこから複数の関係者を経て、１佐に話が持ち込まれた。１佐が説明した内容に特定秘密が含まれていたとみられる。同省は、情報の内容を精査し、使途や流出経路を詳しく調べている。 　特定秘密保護法は外交、防衛、スパイ防止、テロ防止の４分野で、漏えいされた場合、安全保障に著しく支障があり、特に秘匿する必要がある情報を特定秘密とし流出を防止する法律。２０１４年の施行後、特定秘密の漏えい疑いが明らかになるのは今回が初めて。同法では内容を漏らした公務員らは最高懲役１０年。過失での漏えいや、唆した側も処罰の対象となる。（了）【時事通信社】