ケネディ暗殺の資料公開＝米公文書館、１万３０００点

　【ワシントン時事】米国立公文書館は１５日、１９６３年のジョン・Ｆ・ケネディ大統領暗殺事件に関する資料約１万３０００点を公開した。暗殺から来年で６０年となるのを前に、全面公開の機運が高まっている。 　バイデン大統領はこれに先立ち、政府が保管するケネディ暗殺に関する資料について、軍事や情報活動などの機密に関わるものを除いて２０２３年６月末までに全面公開するよう命じた。 　バイデン氏は「ケネディ暗殺という国家的悲劇は、米国の歴史とあの恐ろしい日に生きていた多くの米国人の記憶に残り続けている」と指摘。「暗殺に関する記録を非公開とする必要性は時間の経過とともに弱まっている。できる限り開示し、透明性を最大限確保することは極めて重要だ」と述べた。 　公文書館によると、新たに公開された資料は１万２８７９点。米メディアによれば、多くが米中央情報局（ＣＩＡ）の資料だ。ただ、安全保障上の機密など一部は公開が見送られた。 　ケネディ大統領は１９６３年１１月２２日、遊説先の南部ダラスで、車でパレード中に狙撃され、死亡した。米政府は元海兵隊員リー・ハーベイ・オズワルドによる単独の犯行と断定しているが、ＣＩＡによる陰謀説、旧ソ連の黒幕説などがくすぶっている。　【時事通信社】 〔写真説明〕暗殺当日、空港に到着したケネディ米大統領（中央）＝１９６３年１１月２２日、南部ダラス（ＥＰＡ時事） 〔写真説明〕暗殺直前、車に乗ってパレードするケネディ米大統領（左）＝１９６３年１１月２２日、南部ダラス（ＡＦＰ時事）