明治の産業革命遺産巡り報告書＝ユネスコに「誠実に履行」―政府

　長崎県の端島炭坑（通称軍艦島）など世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡り、政府は１３日、国連教育科学文化機関（ユネスコ）に提出した報告書を公表した。朝鮮半島出身の労働者らに関する説明が不十分との指摘に対し、報告書では「誠実に履行している」とした。 　報告書は先月３０日に提出された。朝鮮半島出身者の徴用は「当時、全ての日本国民に適用された国家総動員法に基づく国民徴用令によるもの」とする従来の説明を踏襲した。　 　政府は２０１５年に世界文化遺産に登録される際、韓国の反発を受け、朝鮮半島出身者や日本の徴用政策について理解できるような措置を約束。２０年に情報発信拠点となる「産業遺産情報センター」（東京都新宿区）を設置した。 　しかし、ユネスコの世界遺産委員会は昨年、説明が不十分だとして「強い遺憾」を示す決議を採択。履行状況などに関する報告書の提出を求めていた。報告書は来年の同委員会で審議される見通し。（了）【時事通信社】