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日中関係後退させた歴史観=愛国教育で反日デモ拡大―江沢民氏


 【北京時事】愛国主義教育を推進した中国の江沢民元国家主席は、日本の歴代首相に歴史認識問題をただすなど、対日強硬姿勢が目立った。江氏の歴史観はその後の最高指導者の対日姿勢に影響を与えるとともに、中国国民の反日感情を高め、2005年や12年に各地で吹き荒れた大規模な反日デモの下地になった。江氏が未来志向の日中関係を後退させた責任は大きいと言える。  江氏が生まれ育った江蘇省揚州市は旧日本軍の影響が強かった地域。共産党の地下活動家として抗日戦争を戦い、1939年に戦死した「革命烈士」の叔父・江上青の養子になったことがその後の江氏の経歴に箔(はく)を付けた。また、この経歴が江氏の「歴史観」に影響を与えたとの見方が強い。  党総書記だった92年に実現した天皇陛下(現上皇さま)の訪中を、89年の天安門事件後の国際的孤立から脱却するため政治的に利用した。天皇訪中は「制裁を打ち破る最良の突破口だった」(銭其※〈王ヘンに深のツクリ〉元副首相の回顧録「外交十記」)。  一方、東欧の民主化やソ連崩壊の影響が自国に及ばないよう、共産党統治の正統性を国民に再認識させるために打ち出したのが愛国主義教育だった。旧日本軍の残虐行為が強調された抗日戦争記念館が各地で新設・拡大された。  日本政府は天皇訪中と共に、戦後50年を迎えて日本の侵略などを謝罪した95年の村山富市首相(当時)談話によって、歴史認識問題に区切りを付け、新しい日中関係を構築しようと考えた。江氏は歴史認識にこだわり続け、「日本軍国主義復活」に警戒を緩めなかった。  江氏は98年8月、外交当局者を集めた会議で「日本に対しては歴史問題を永遠に言い続けなければならない」と指示。同年11月には国家主席として初の公式訪日で、「日本軍国主義は対外侵略拡張の誤った道を歩み、中国国民などに大きな災難をもたらした」と強い口調で歴史認識問題に言及した。  01、02年の小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝にも強く反発。最後の外交舞台となった02年10月、メキシコで小泉氏と会談し、「13億中国人民の感情に触れる問題だ」と批判した。 【時事通信社】 〔写真説明〕宮中晩さん会で江沢民中国国家主席(当時、左)と乾杯される天皇陛下(現在の上皇さま)=1998年11月、皇居・宮殿「豊明殿」 〔写真説明〕晩さん会で中国の江沢民国家主席(当時、中央)と歓談される天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)=1992年10月、北京の釣魚台迎賓館(AFP時事) 〔写真説明〕来日した江沢民中国国家主席(左)と握手する小渕恵三首相(肩書はいずれも当時)=1998年11月、東京(AFP時事)
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