starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「空白の1年」経て、献身的に=チームのため、走り続ける―W杯サッカー・前田選手


 サッカーW杯日本代表の前田大然選手(25)は献身的なプレーが持ち味だ。その原点は、山梨学院高校時代の「空白の1年」にある。  「いったん連れて帰ってください」。1年生の1月、大阪府に住む前田選手の両親は、サッカー部監督だった吉永一明さん(54)からこう告げられた。理由は部内の人間関係を巡るトラブル。同級生への「いじり」が度を越しているのではないかと問題視された。  優しい息子だが、父伸幸さん(58)には思い当たる節も。夏休みに帰省し、友人らとバーベキューをした時のことだ。「みんなが一生懸命焼いている中、大然はふんぞり返っていた」。「てんぐになっている」と感じたが、自ら気付いてほしいと注意はしなかった。  その後、前田選手には無期限除籍という最も厳しい処分が下され、退寮を余儀なくされた。  小学生の頃から憧れていた山梨学院。「サッカーができる大阪の高校を探そうか」。家族内ではそんな話も出たが、「学院でやりたい」という思いは揺るがなかった。  甲府市内にアパートを借り、1人暮らしが始まった。学校側は、保護者が定期的に様子を見るという条件を提示。母幸枝さん(54)は3、4日ごとに夜行バスで大阪と山梨を行き来し、食事を作り置くなどして支えた。  前田選手は最初こそ落ち込んだ様子だったが、すぐにできることを考え始めた。「ちょっとでも早く戻れるようにいろいろやるねん」。グラウンドの周りを走り、自主的に校内を掃除。朝5時に起き、パン屋で無給で働いていた時期もあった。  そうした姿は、吉永さんの耳にも届いた。「ミスしたら終わりではなく、チャンスをつくることも大事だ」。2年生の2月ごろ、サッカー部への復帰を許した。  1年ぶりに戻った前田選手は、明らかに変わっていた。「攻撃に出る時と(守備に)戻る時のスピードが一緒の選手はプロでもそういない。彼はそれを90分やり続ける」。吉永さんは強調する。  「たくさんの人に支えられ、この舞台に来た」。W杯の直前合宿でこう話した前田選手。伸幸さんも「挫折したからこそ、今のプレースタイルがある」と語る。スペイン戦は来月2日。「みんなのために走り、ゴールを取ってチームを勝たせたい」。同選手は活躍を誓う。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕サッカーW杯代表の前田大然選手と恩師の吉永一明さん(左)=吉永さん提供 〔写真説明〕サッカーW杯代表の前田大然選手の父・伸幸さん(左)と母・幸枝さん=10月18日、大阪府
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.