運転３０年以降、１０年ごと認可＝原発審査で試案―６０年超見据え検討・規制委

　原子力規制委員会は２日、政府が検討している原発の運転期間延長を巡り、運転開始から３０年以降は１０年ごとに認可が必要とする規制試案を大筋で了承した。現行法では原則４０年で、規制委の認可を受ければ１回に限り最長６０年まで延長できるとされているが、１０年以内ごとに規制委の認可を受ければ、６０年を超えて運転することが可能になる。 　今後、具体的な審査内容などについて議論を続け、年内にも原子炉等規制法の改正に向けた骨子を固める。　 　試案では、運転開始から３０年となる原発について、劣化状況の点検や管理方法を記載した「長期施設管理計画（仮称）」の策定を事業者に義務付けた上、運転には規制委の認可を受けると規定。その後も、１０年以内ごとに同様の認可を受ける必要があるとした。 　延長に当たっては、将来劣化が進行しても技術基準に適合するかを審査する。また、新たな知見などが出てきた場合、計画変更などを命じたり、設置許可を取り消したりできると定めた。 　認可基準の年数には、従来通り審査や検査などによる停止期間も含む方針も示した。一方、経済産業省などは、停止期間を運転期間から除外することを検討している。（了）【時事通信社】