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米、遠のく「核なき世界」=国防戦略、対中ロ鮮明に


 【ワシントン時事】バイデン米大統領は27日に公表した防衛政策の指針となる「国家防衛戦略」など三つの戦略文書で、公約に掲げた核軍縮の断念に追い込まれた。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせ、中国も核保有大国として台頭しつつある中、「核なき世界」の理念は大きく遠のいた。  「当分の間、核兵器は他の軍事力では代替不可能な抑止効果をもたらす」。国防戦略と同時に公表された「核態勢の見直し(NPR)」はこう指摘し、核戦力の維持を表明した。  「核なき世界」を掲げてノーベル平和賞を受賞したオバマ元大統領の理念を引き継ぐ形で、バイデン氏は2020年の大統領選で核兵器の役割縮小を公約。核攻撃に反撃する場合を除いて核兵器を使用しないことを視野に、核戦力削減を目指してきた。  しかし、冷戦時代からの核保有大国ロシアがウクライナ侵攻で苦戦する中、核兵器の使用をたびたび示唆。習近平国家主席が長期政権を築く中国も、核戦力の増強に乗り出している。米国防総省の分析では、中国は30年までに現在の約3倍となる1000発以上の核弾頭を保有する見通しだ。  核開発を進める北朝鮮、核合意再建交渉が難航するイランの存在なども無視できなくなった。また、バイデン政権がNPR策定に当たって実施した日本や欧州などの同盟国への聞き取り調査でも、米国の「核の傘」の弱体化を懸念する声が続出。米国内でも与野党双方から批判が相次いだ。  これらを背景に、バイデン政権は核軍縮からの転換を打ち出したトランプ前政権の方針をほぼ踏襲せざるを得なくなった。独自色を出せたのは、トランプ前政権が導入を決めた核兵器を搭載可能な海上発射型巡航ミサイル計画の中止程度にとどまった。  もっとも、これにも米議会内には反対論がある。下院軍事委員会のマイク・ロジャース議員(共和党)は「中ロは前例のない速さで核兵器を増強している。われわれも防衛力を強化する具体的な行動が必要だ」と批判し、核戦力の一段の拡充を訴えている。 【時事通信社】 〔写真説明〕バイデン米大統領=25日、ホワイトハウス(EPA時事) 〔写真説明〕ロシアのプーチン大統領=27日、モスクワ(AFP時事) 〔写真説明〕中国の習近平国家主席=2014年3月、ベルリン(AFP時事)
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