ギャング制裁決議を採択＝情勢悪化のハイチを巡り―国連安保理

　【ニューヨーク時事】ギャング組織が主要港を占拠し、殺人や誘拐がまん延するカリブ海のハイチを巡り、国連安保理は２１日、犯罪行為の即時停止を要求し、ギャング組織の指導者に制裁を科す決議を全会一致で採択した。「ハイチはまひ状態にある」として、グテレス事務総長が対応を求めていた。 　ハイチでは昨年、大統領暗殺や巨大地震が発生し、情勢は悪化の一途をたどっている。グテレス氏が今月、安保理に提出した書簡によれば、ギャングが港や石油ターミナルを掌握。燃料不足が深刻化し、水や電力供給にも支障が出て、コレラが流行し始めている。 　決議は、元警官でギャング組織のリーダーの男、通称「バーベキュー」を制裁対象に指定した。全加盟国は資産凍結や武器の供給禁止などの措置を取るよう求められる。制裁委員会も設置される。ハイチ代表は「助けを求める市民の叫びが聞き入れられた」と歓迎した。　【時事通信社】 〔写真説明〕２１日、ハイチ東部の国境地帯で、ドミニカ共和国に入国させるよう求めて投石する人々（ＥＰＡ時事）