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「時間とともに苦しみ増す」=不明の息子ら、待ち続け―知床事故、23日で半年


 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故は23日で発生から半年を迎える。行方不明の息子(7)とその母親(42)の帰りを待ち続ける道内の男性(50)は「常に2人のことを考え、時間とともに苦しみが増している」と打ち明ける。  4月23日朝、知床にいる息子の母親から「船に乗る」というメッセージと、港でピースサインする息子の写真が男性のスマートフォンに届いた。その後、ニュースで事故を知り、運航会社に連絡すると、カズワンの乗船者名簿に2人の名前があった。「間違いであって」。男性は知床に向かった。  数日後、新幹線の絵が描かれたリュックサックが海上で見つかった。電車が大好きな息子が持っていたもので、いつも掛けていた眼鏡が入っていた。「船が沈みそうになった時、なくさないように入れたのだろう。想像すると気が変になりそうだ」と、悲痛な表情を浮かべる。  事故から半年がたつが、2人の行方は分からないままだ。「最初は現実を受け入れられず、時間がたつにつれて苦しみが増している」。気を紛らわせようとしても、「常に2人のことが頭にある。奇跡が起きて、生きていてほしいと考えてしまう」と涙をにじませた。  9月に2人の荷物を整理し、息子のおもちゃは、利用していた学童保育施設に寄付した。「見つかっていないのに片付けるのはつらかった」。まだ気持ちの整理はついていない。「見つかってほしいが、遺体で見つかっても受け入れられない」「毎日とても苦しい」と、声を詰まらせる。  事故を起こした運航会社に対しては、「許せない」と怒りをあらわにし、「悪質な会社を止められなかった国にも責任がある」と訴えた。  知床は間もなく冬を迎え、降雪やしけの影響で、第1管区海上保安本部(小樽市)などによる捜索はさらに困難を極めると予想される。「範囲を広げたり、海中や海岸線を重点的に捜したりしてほしい」。男性は2人との再会を願っている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕知床観光船沈没事故で行方不明となっている息子のリュックサックと眼鏡を持つ男性=12日午後、北海道
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