ＥＵの外は「ジャングル」＝ボレル外相、また失言

　【ブリュッセル時事】欧州連合（ＥＵ）のボレル外交安全保障上級代表（外相）が先週、ロシアがウクライナに侵攻するなどＥＵ域外の世界を「ジャングルだ」と嘆いてみせ、批判を浴びている。１７日の外相理事会後の記者会見で「言葉足らずのところがあるかもしれない」と釈明に追われた。 　ボレル氏は１３日、ベルギー北部ブリュージュで、ＥＵを「庭園」に例え「われわれは恵まれている。政治面の自由、経済的繁栄、社会の結束を築き上げた」と述べた。一方で「世界の大半はジャングルで、庭園を侵してくる恐れがある」と警告。こうした侵害を回避するためにも、世界と関わりを持つべきだと呼び掛けた。 　しかし、欧州以外を「野蛮」と見なすのは１９世紀の典型的な「帝国主義」や「白人至上主義」の態度。瞬く間に批判が広がり「欧州人種差別主義者の庭園管理人だ」（中東の衛星テレビ局アルジャジーラ）と激しい言葉でボレル氏は非難されている。 　ボレル氏は１７日の会見で「連帯の意味を込めた」と弁明した。政治面の自由など「ＥＵにあるものが他国で手に入るわけではない」と指摘。だからこそ「われわれには世界に（その）価値を伝える責任があるのだ」と発言に込められた意図を自ら解説した。　【時事通信社】 〔写真説明〕１７日、ルクセンブルクで開かれた欧州連合（ＥＵ）外相理事会に臨むＥＵのボレル外交安全保障上級代表（外相）（ＥＰＡ時事）