核合意再建交渉、進展なし＝ＩＡＥＡ査察で平行線―仏イラン首脳会談

　【ニューヨーク時事】国連総会出席のためニューヨークを訪問中のフランスのマクロン大統領とイランのライシ大統領は２０日、暗礁に乗り上げているイラン核合意の再建交渉をめぐり会談した。イラン政府の発表によれば、ライシ師は国際原子力機関（ＩＡＥＡ）による査察を改めて拒否。議論は平行線をたどったもようだ。 　核合意再建交渉では、調整役を務める欧州連合（ＥＵ）が８月、合意に向けた「最終文書」を提示。一時は妥結間近との観測も流れたが、イラン側が国内の未申告施設に対するＩＡＥＡの査察を受け入れず、交渉は停滞している。 　ロイター通信によると、マクロン氏は会談後、記者団に対し、欧米がＩＡＥＡに査察終了を求めることはないと説明するとともに「ボールは今、イラン側にある」と述べ、イランに譲歩を促した。昨年６月の当選以来、ライシ師が欧米の主要国首脳と直接会談するのは初めて。 　国連総会には、核合意当事国の首脳や閣僚が出席する。ただ、サリバン米大統領補佐官（国家安全保障担当）は２０日の記者会見で、国連総会に合わせて「（再建交渉に）進展があるとは期待していない」と厳しい見通しを示した。　【時事通信社】