「負ければ引退」＝劣勢のボルソナロ氏―ブラジル大統領選

　【サンパウロ時事】ブラジルのボルソナロ大統領（６７）は１２日夜、支持層である右派のキリスト教福音派向けインターネット放送で、１０月に投票が行われる大統領選で再選されなければ政界を引退する意向を示した。ボルソナロ氏は各調査会社の支持率調査で左派のルラ元大統領（７６）に１０ポイント以上水をあけられている。 　ボルソナロ氏は「もし（再選が）神の意思なら続ける。そうでなければ大統領綬（だいとうりょうじゅ、元首のシンボルのたすき）を渡して引退する。もし任期が尽きれば、私の年齢ではこの地球上で何もやることはない」と述べた。ただ、ブラジルで採用されている電子投票システムの信頼性をボルソナロ氏は否定しており、もしルラ氏に敗れても受け入れない可能性がある。 　女性や社会的少数者への差別的発言を繰り返したり、新型コロナウイルス対策に消極的だったりしたため、女性や貧困層の間でボルソナロ氏の支持は低迷している。ＩＰＥＣ社の最新の調査では、ルラ氏に支持率で１５ポイントの差をつけられた。 　軍人出身のボルソナロ氏は１９８９年にリオデジャネイロ市会議員として政界入り。９１～２０１８年、７期連続で連邦下院議員を務めた。　【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジルのボルソナロ大統領＝８月３１日、南部フォズドイグアス（ＥＰＡ時事） 〔写真説明〕ブラジルのルラ元大統領＝１２日、サンパウロ（ＡＦＰ時事）