順大でもｉＰＳ心筋細胞治験＝阪大以外で初、経過良好

　重い心不全患者に人工多能性幹細胞（ｉＰＳ細胞）から作った心筋細胞シートを移植する医師主導治験が、順天堂大医学部付属の順天堂医院（東京都文京区）で行われた。順大が１２日、６０代男性患者への移植手術を８月に行い、良好な経過で近く退院する予定だと発表した。 　この治験は大阪大が中心となっており、２０２０年に３例の移植手術を無事終えた。阪大以外で行われたのは初めて。大阪大大学院医学系研究科の澤芳樹特任教授は、順大教授らとともに記者会見し、引き続き移植手術を重ねて安全性や有効性を検証し、実用化を目指す考えを示した。 　今回の男性患者はかつて心筋梗塞を経験し、治療を続けても息切れなどがあったため移植手術を受けた。移植した心筋細胞シートから分泌される物質により、新たに血管が形成されるなどして組織の修復、心機能の改善につながることが期待される。　（了）【時事通信社】