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ユダヤ人のロシア出国急増=ウクライナ侵攻に反発―「非ナチ化」主張を批判


 ロシア軍による2月下旬のウクライナ侵攻開始後、ロシアからイスラエルに移住するユダヤ人が急増している。背景にあるのは、強権化するプーチン政権への反発だ。ロシアはウクライナ政権をネオナチと見なし、「非ナチ化」を掲げて侵攻を正当化するが、かつてナチスに弾圧されたユダヤ人からは「プロパガンダだ」(宗教指導者)と非難の声が上がっている。  実業家ボリスさん(仮名=50=)は4月、サンクトペテルブルクからイスラエル中部テルアビブに移住した。もともとプーチン政権の長期化に懸念を抱き、出国を考えていたが、ウクライナ侵攻を受けて最終決断した。「ロシアのユダヤ人は国際的でリベラルだが、正反対のことがロシアで起きている」。6月に中部ホロンに来た学生ヨナさん(同=20=)は「隣国を攻撃する国は、私の価値観と相いれない」と語る。  ロシアのユダヤ人は16万5000人とされる。イスラエル中央統計局によると、2月24日~7月31日にロシアから約1万9000人が移住。新型コロナウイルス禍前だった2019年同期の約7000人から大幅に増加した。イスラエルの当局者は「これほどの急増は予期していなかった」と驚き、「侵攻で孤立する国で暮らしたくないのだろう」と分析する。  ただ、ヨナさんは「ロシアで反ユダヤ主義を感じたことはなかった」とも話す。ボリスさんも「プーチン大統領自身はユダヤ人に好意的だ」と認めるが、「地方では反ユダヤ感情が根強い。爆発の引き金が引かれるのを待っている」と指摘。国内情勢が悪化した際、ユダヤ人に責任転嫁するのは「歴史上、何度も繰り返されてきたことだ」と懸念する。  ウクライナ政権の「非ナチ化」について、ヨナさんは「洗脳に使われる恐ろしい言葉だ」と批判。「ウクライナでは、ナチスに協力した指導者の名前が通りに付けられているが、今の政権がナチスだとは思わない」と話す。ボリスさんは「教育を受けた人でさえ、ロシア政府のプロパガンダを信じている」と嘆き、「非ナチ化すべきなのは(プロパガンダの横行する)ロシアの方だ」と皮肉った。  ウクライナの首席ラビ(ユダヤ教指導者)モシェ・アスマン師も、「非ナチ化」の主張をプロパガンダだと一笑に付す。「ユダヤ系のゼレンスキー大統領が支持され、首都キーウ(キエフ)中心部にシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)がある。誰もユダヤ人を追い出そうとしていない」。ネオナチとの関係が指摘される精鋭部隊「アゾフ大隊」についても「私の知る隊員たちは、愛国的な普通の人たちだ」と問題視していない。「反ユダヤ主義はどの国にもあるが、ウクライナは欧州やロシアよりも少ない」と言い切った。 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナの首都キーウ(キエフ)にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)=8月23日 〔写真説明〕ウクライナの首席ラビ、モシェ・アスマン師=8月23日、キーウ(キエフ)
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