銀行預金不払い、２００人超逮捕＝「重大犯罪」に関与―中国河南省

　【北京時事】中国・河南省で４月、複数の地方銀行で預金が引き出せなくなった問題をめぐり、同省許昌市当局は２９日、「重大犯罪」に関与した疑いで、銀行経営などに関わっていた２３４人を逮捕したと発表した。 　中国メディアによると、問題となったのは省内の農村で業務を行う中小銀行４行。最高１８％という高金利を売りに全国から預金を集めたが、資金繰りが悪化し払い戻しできなくなった。 　当局は、４行の大株主だった投資会社が違法に銀行を支配し詐欺を働いたとみて、捜査を進めてきた。顧客約４０万人、預金４００億元（約８０００億円）が影響を受けたとみられている。 　社会不安を恐れる当局は当初、問題解決に後ろ向きで、新型コロナウイルス感染対策用の行動管理アプリを不正操作し、預金者の抗議運動を妨害しようとしていたことも判明。７月には省都の鄭州で１０００人規模のデモが起き、多数の負傷者が出る騒ぎに発展した。 　当局は現在、小口預金者から順次、預金を立て替え払いする救済策を講じている。中国では不動産市場が急激に冷え込み、経営危機に陥る開発業者が続出。金融システムへの波及に警戒が高まっている。　【時事通信社】 〔写真説明〕中国河南省で銀行預金が引き出せなくなり、抗議する人々＝７月１０日、同省鄭州市（ＡＦＰ時事）