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進展に懐疑的な声=穀物輸出再開―ウクライナ


 【リビウ(ウクライナ)時事】ウクライナの穀物輸出が曲折の末、再開にこぎ着けた。輸出は世界の食料安全保障に欠かせないが、計画通りに進むかどうかは予断を許さない。ロシア軍の侵攻の影響を受け続けるウクライナの農家からは合意の履行に懐疑的な声が上がっている。  西部リビウ近郊で小麦やトウモロコシなどを生産するオレフ・テムチシンさん(53)は「ロシアは輸出再開の合意に調印した次の日にはオデッサ港を攻撃した。合意は無意味だ」と吐き捨てる。ペトロ・ヴォブクさん(58)も「約束を守らない異常な人たちと交渉していることをわれわれは知っている」と反発した。  ウクライナで昨年収穫された輸出向け約2000万トンの穀物が滞留しているとされ、輸出が軌道に乗らなければ、同国産の穀物に依存する中東やアフリカを中心に食料危機の拡大につながる恐れがある。米国などは陸路での代替ルート支援も模索するが容易ではない。  テムチシンさんによると、車両輸送は、隣国ポーランド経由の場合、国境地帯の通関手続きに何日もかかる上、そこから北部の港まで運ぶコストもかかる。列車輸送も線路幅が異なるため積み替えなどの問題がある。  前線から遠いリビウ近郊でも戦争の被害は身近なものだ。テムチシンさんの農場では4月、ロシアの巡航ミサイルが畑に着弾。直径12メートルの穴を埋めるためにトラック二十数台分の土を運ぶ必要があった。空襲警報は今も頻繁に鳴り響くが、イチゴ農家のミコラ・ステツィキさん(36)は「農場にシェルターはないし、農作業の時間が足りなくなるから避難している時間はない」と語る。  インフレやエネルギー価格の高騰も深刻化している。しかし、テムチシンさんは「戦争が長期化したとしても、自分たちのビジネスに被害を与えると考える時ではない。国を守る兵士をいかに助けるかを考えることが最優先だからだ」と力を込めた。 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ西部リビウ郊外の農家オレフ・テムチシンさん 〔写真説明〕ウクライナ西部リビウ郊外のイチゴ農家ミコラ・ステツィキさん
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