受験生のスマホ、試験前机上に＝巡視も強化―入試センターが対策公表

　大学入試センターは１０日、今年１月の大学入学共通テストで問題が流出した事件を受け、来年は試験開始前にスマートフォンなどの電子機器類を一斉に机上に出させ、電源を切ってからかばんにしまってもらうなどの不正防止対策を正式発表した。これまで受験生各自に任せていた対応を見直す。試験会場で一定程度の時間を要するが、試験開始時間などは変更しないという。 　不正行為は警察に被害届を提出する場合があることを新たに受験案内などに記載。問題流出事件で使用されたイヤホンの禁止も明記する。高校などで周知を図るため、新たにリーフレットを作成する。 　監督者に対しては、不正行為事例のほか、受験生の手の位置や目線など巡視の際に確認すべきポイントをまとめたマニュアルを提供。会場の規模に応じて、巡視回数を増やすよう要請する。　 　スマホの電波妨害装置や発信源の特定装置の導入も検討したが、１００億円に上るとされる費用面や、電波法で有資格者の配置が必要なことなどから今回は見送った。同センターは「今後、技術の進展に応じて改めて検討する」としている。（了）【時事通信社】