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新政権、前途多難=前首相派デモ、重い対中債務―パキスタン


 経済危機を背景に4月にカーン首相の不信任案が可決され、シャリフ新首相への政権交代が起きたパキスタンで、再び政治をめぐる混乱が深刻化している。シャリフ氏がパキスタンの積年の問題である経済の中国依存にあえぐ中、失職後も影響力維持を狙うカーン氏が今月下旬に入り、数万人規模の反政府デモを敢行。新政権は揺さぶりをかけられ、多難な船出となっている。
 AFP通信は、中国との関係について「ヒマラヤよりも高く、大海より深く、蜂蜜より甘い」と形容するパキスタンの政治家の発言を紹介している。宿敵インドとの対立から、いかなる政権であっても、中国との「蜜月」維持は最優先の課題だ。
 国際通貨基金(IMF)によると、パキスタンの対中債務は184億ドル(約2兆3000億円)。両国を結ぶ「中パ経済回廊(CPEC)」計画でも数百億ドル(数兆円)規模の交通、エネルギー、インフラ事業が予定されている。
 故ベナジル・ブット元首相の息子であるビラワル・ブット外相は21、22の両日、就任後初めて中国を訪問し、王毅外相と会談した。対中債務の扱いなども協議したとみられる。
 AFPによると、こうした中で、カーン前首相は26日、首都イスラマバードで大規模な反政府デモを行って動員力を誇示した。「6日以内に総選挙実施について表明することを要求する。議会を解散し6月に選挙をすべきだ」と演説し、政府に圧力をかけた。
 これに対し、シャリフ首相は「選挙実施を決めるのはわれわれだ。われわれを脅そうとするなら間違いだ」と反論。対決姿勢を示している。
 デモは首都にとどまらず、南部カラチや東部ラホールをはじめ各地で相次いだ。道路を封鎖するなどしたデモ隊に警察は催涙弾で応戦。カーン前首相の支持者1700人以上が拘束された。地元の人権団体は「法執行機関(警察)の横暴を深く懸念する」と批判した。
 パキスタンでは強大な軍の意向が政治を左右すると言われる。2018年に「汚職」や「縁故主義」の打破を掲げてカーン氏が首相に就任した際は、裏で軍の支援を受けていたとみられた。
 しかし、その後、カーン氏は軍との不和がささやかれるようになり、これが4月の下野につながったと報じられた。シャリフ首相は、軍に配慮しながら経済を立て直す手腕が問われている。 【時事通信社】
〔写真説明〕26日、イスラマバートで、デモ行進するパキスタンのカーン前首相支持者ら(AFP時事)
〔写真説明〕支持者に手を振るパキスタンのカーン前首相(中央)=25日、イスラマバード近郊(EPA時事)
〔写真説明〕パキスタンのビラワル・ブット外相=2月27日、南部カラチ(EPA時事)
〔写真説明〕パキスタンのシャリフ首相=4月13日、南部カラチ(EPA時事)
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