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会見説明、実態と食い違い=社長の認識不足露呈―知床観光船事故


 知床半島沖の観光船沈没事故では、事故の4日後に運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)が開いた記者会見での説明と、実態との食い違いが次々と判明。「船に詳しくない」(元従業員)とされる桂田社長の認識不足が露呈している。  同社を買収した桂田社長は、2016年に社長へ就任した。自身を運航管理者として届け出ていたが、会見では行方不明となっている「KAZU I(カズワン)」の豊田徳幸船長だと説明。運航の責任者としての自覚の無さをうかがわせた。  元従業員の男性は「運航管理者になっているが、船のことは全然分からず、できない」と話す。管理者には3年以上の実務経験が必要だが、男性によると、就任前の運航歴はほとんどなかったという。  当日の出航中止の基準となる波の高さについて、桂田社長は会見で1メートルと説明。しかし、その後に乗客の家族に配布した文書では0.5メートルと訂正した。航行中に1メートル以上になると予想される場合は欠航するという基準もあったが、会見では、3メートル以上になる恐れがある場合に出される波浪注意報の発表を出航前に知っていたと説明。自社が届け出た基準内容を把握していなかった可能性がある。  同社は、悪天候時に引き返す「条件付き運航」という運用をしていた。元従業員男性は、同業他社もこうした運用をすることはあったと指摘するが、桂田社長について「『荒れ模様だから折り返す』という判断が、経験不足で理解できない」と話した。  運航管理者は航行中、原則事務所にいて連絡を受ける必要があるが、桂田社長は事故当日、事務所におらず、代わりに対応する運航管理補助者も不在だった。会見では補助者について、別の同社社員1人の名前を挙げていたが、国交省が調べた結果、補助者は豊田船長だけだったことが判明した。  桂田社長は家族への文書で、「基準通りに運航していれば、事故の発生を回避できた可能性はあった」として謝罪した。記者会見後、取材には応じていない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する観光船運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長=4月27日、北海道斜里町
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