ＩＡＥＡトップ、処理水施設を視察＝「期待以上の進捗」―東電福島第１原発

　国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のトップ、グロッシ事務局長は１９日、東京電力福島第１原発を訪れ、汚染水を処理する「多核種除去設備（ＡＬＰＳ）」などを視察した。視察後に記者会見したグロッシ氏は、放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出に向けた作業について「期待以上の進捗（しんちょく）だった」と評価した。　 　グロッシ氏が福島第１原発を視察するのは２０２０年２月以来、２回目。今回は、東電の担当者から説明を受けながら、原子炉建屋の解体作業や処理水放出の準備作業を見て回った。 　政府・東電は、来年春ごろをめどに処理水の海洋放出を始めたい考え。グロッシ氏は「地元の方々が懸念を持っていることはわれわれも承知している」とした上で、「信頼を得る唯一の方法は情報をオープンにすることだ」と強調。「ＩＡＥＡは東電や日本政府が出した事実を検証し、安全性の裏付けをしていく」と述べた。（了）【時事通信社】