原爆死没者名簿「風通し」＝広島３２万人、長崎１８万人分

　広島市中区の平和記念公園で１８日午前、原爆死没者名簿の湿気を取り除き、異常がないかを調べる「風通し」が行われた。市職員が原爆が投下された午前８時１５分に黙とうした後、原爆死没者慰霊碑の石室に納められている名簿を取り出し、１枚ずつ丁寧にめくって保存状態を確認した。 　名簿は１２１冊で、昨年８月５日までに亡くなったことが確認された３２万８９２９人の氏名と死没年月日、死没時の年齢が記され、身元不明者を弔うための「氏名不詳者多数」と記された１冊も含まれる。このほか、長崎で被爆したが、本人や遺族が広島の慰霊碑への奉納を希望した１２人の名前などが記載された１冊も風通しをした。 　長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館でも１８日午前、原爆死没者名簿の風通しを行った。名簿は１９３冊、１８万９１６３人分で、うち１冊は身元不明の死没者を慰霊する白紙の名簿。広島で被爆したが、本人や遺族が長崎での奉安を希望した８２人分の名簿１冊についても同様の作業をした。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕原爆死没者名簿の「風通し」をする広島市職員＝１８日午前、広島市中区の平和記念公園