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母への思い、今も=「よかよ」最後まで気遣い―遺族代表の持田さん・熊本地震6年


 熊本県庁で14日開かれた追悼式で遺族代表として言葉を述べた持田佳征さん(54)=御船町=。実家が全壊し、母の哲子さん=当時(70)=を亡くした。予定していた両親の金婚式のお祝いや家族旅行もかなわず、「何もしてやれなかった」と今も悔やむ一方、前向きに生きる気持ちも芽生えている。  2016年4月14日の前震。持田さんは妻や2人の子と住む熊本市のアパートで被災した。部屋の荷物が散乱したが、御船町にある築100年近い実家が心配になった。「片付けに帰る」と母に伝えると、平日は運送業で働く持田さんを気遣い、「(2日後の)土曜日の朝からでよかよ(いいよ)」と返答された。  しかし、16日未明に本震が発生。3時間半後の午前5時ごろ、消防で救助された父から「かあちゃんが分からん」と電話があった。すぐに避難所の小学校のグラウンドから車を出した。「助かってほしい」。気持ちは焦ったが、通行止めも多く、通常30分ほどの道のりは2時間半かかった。  全壊した実家では、消防が捜索を続けていた。携帯電話を鳴らし、着信音を頼りに捜索を始めて1時間半後。仏壇がある寝室で横たわる母が見つかった。「望みがあれば」と祈るような気持ちだったが、死亡が確認された。  両親は2カ月後に金婚式を迎える予定だった。実家を建て直して一緒に住むことや、家族旅行も計画していたという。  持田さんはこの6年間、母を忘れた日はなかったと振り返りながら、「いつまでもくよくよしていると前に進まない」と話す。「とにかく前を向いて、頑張っていかないといけない」と自分に言い聞かせるように語った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕熊本県庁で開かれた熊本地震の犠牲者追悼式で追悼の言葉を読み上げる遺族代表の持田佳征さん=14日午前、熊本市中央区 〔写真説明〕亡くなった母への思いを語る遺族代表の持田佳征さん=7日、熊本県御船町
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