「ウイルソン」の改善計画認定＝ラケット並行輸入妨害で―公取委

　米スポーツブランド「ウイルソン」の国内総販売代理店などが硬式テニスラケットの並行輸入を妨害した問題で、公正取引委員会は２５日、「ウイルソン・スポーティング・グッズ・カンパニー」（米国）と子会社の代理店「アメアスポーツジャパン」（東京都新宿区）がそれぞれ提出した改善計画を認定した。行政処分の「確約手続き」に基づくもので、両社は再発防止などを約束した。 　公取委によると、アメア社は国内の並行輸入業者が販売するラケットを買い取り、製品番号などをウイルソン社に提供。ウイルソン社は海外の販売元を割り出し、国内の並行輸入業者に売らないよう圧力をかけていた。 　並行輸入業者は代理店を通さないルートで海外の販売業者から正規品を仕入れ、安値で販売する。アメア社は価格競争を避けようと、ウイルソン社は正規ルートの販売で利益を確保しようとしたとみられる。妨害は遅くとも２０１６年９月ごろから２０年９月まで行われ、独禁法違反の疑いがあったという。 　改善計画で両社は再発防止を約束。ウイルソン社は一部の国で代理店に課している販売地域の制限も緩和し、日本の業者から要望があった場合は販売させると申し出た。　（了）【時事通信社】