元農水相に求刑＝鶏卵汚職事件―東京地裁

　鶏卵業者から５００万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた元農林水産相で元衆院議員の吉川貴盛被告（７１）の公判が２３日、東京地裁（向井香津子裁判長）であり、検察側の論告と求刑が行われる。 　弁護側も最終弁論を行い、結審する見通し。被告は無罪を主張している。 　検察側は公判で、鶏卵大手「アキタフーズ」（広島県福山市）の秋田善祺元代表（８８）＝贈賄罪などで有罪確定＝から提供された現金には鶏飼育の国際基準案への反対や日本政策金融公庫の養鶏業者への融資条件を緩和してもらう目的があり、賄賂だったと主張している。 　吉川被告は、大臣在任中の５００万円を含めた計１８００万円の受領を認めた上で、「政治献金だと受け止めていた」と賄賂の認識を否定。政治資金収支報告書に献金を記載しなかった理由については、秋田元代表らに「迷惑が掛かると思った」と話していた。 　起訴状によると、吉川被告は農水相在任中の２０１８年１１月～１９年８月、秋田元代表から東京都内のホテルや大臣室で３回にわたり現金計５００万円の賄賂を受領したとされる。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕吉川貴盛　元衆院議員