中国、米接近に警戒感＝韓国大統領選

　【北京時事】韓国大統領選を制した保守系野党の尹錫悦氏を中国側は警戒する。尹氏は対北朝鮮防衛のため日米との協力を重視しており、米主導の「対中包囲網」に参加すれば、中韓関係の悪化は避けられない。中国は、韓国にとって最大の貿易相手国という経済的地位や、北朝鮮への影響力を武器に、対米接近をけん制するとみられる。 　保守系の朴槿恵政権が２０１６年、在韓米軍への高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）配備を決定すると、中国は韓国旅行の制限などで報復し、中韓の摩擦が激化した。尹氏が主張するＴＨＡＡＤ追加配備を進めれば、対立の再燃は必至だ。 　今年は中韓国交正常化３０年。王毅国務委員兼外相は７日の記者会見で、韓国で広がる反中感情を念頭に「中韓はライバルではない」と訴えた。　【時事通信社】 〔写真説明〕中国の王毅国務委員兼外相＝２０２１年１０月３１日、イタリア・ローマ（ＡＦＰ時事）