外国メディアの活動停止拡大＝ロシア「偽情報」処罰法で

　【ベルリン時事】ロシアで軍に関する「偽情報」を広めた場合に最長で禁錮１５年の刑が科される法律が成立したことを受け、ロシア国内での活動停止に踏み切る外国メディアが拡大している。ロシアのペスコフ大統領報道官は、「前例のない情報戦争」が展開されており、早急な法整備が必要だったと正当性を主張するが、情報統制に対抗できなくなる恐れが強まっている。 　４日に活動停止を発表した英ＢＢＣ、米ＣＮＮ、米ブルームバーグ通信などに続き、５日にはドイツの公共放送ＡＲＤとＺＤＦ、イタリアの公共放送ＲＡＩ、スペインのＥＦＥ通信も同様の決定を明らかにした。いずれの社も「スタッフの安全性が最優先」（ＢＢＣ）と、記者らが訴追されるリスクの回避を理由としている。 　各社とも、ロシアに関する報道を国外から続ける方針だ。ただ、ロシアではフェイスブックなどＳＮＳの利用が遮断され、一般市民による情報の拡散も制限されている。同国内で反戦デモや反政府デモなどが起きても、国内外に実情を伝える手段がなくなる恐れもある。　【時事通信社】 〔写真説明〕独放送局ドイチェ・ウェレのモスクワ支局が入る建物＝２月４日（ＥＰＡ時事） 〔写真説明〕報道陣の前で拘束される反戦デモ参加者＝２月２７日、サンクトペテルブルク（ＡＦＰ時事）