核抑止議論拡大に「怒り」＝日本被団協が抗議

　ロシアのウクライナ侵攻を契機に、核抑止の議論を求める声が与野党から出ていることに関し、日本原水爆被害者団体協議会（日本被団協）は２日、オンラインの記者会見で「怒りに震えている」と強く抗議した。 　与野党の議員からは、米国の核兵器を自国内に配備して共同運用する「ニュークリア・シェアリング（核兵器の共有）」の議論を求める声が相次いでいる。日本維新の会の松井一郎代表は、非核三原則の見直しなどを求める提言を政府に提出する方針を示した。これに対し日本被団協の田中重光代表委員（８１）は会見で、「ウクライナ侵攻にかこつけている。被爆者として憤りを感じている」と非難した。 　岸田文雄首相は同日の参院予算委員会で、非核三原則に触れた上で「政府として（核共有を）認めることは難しい。議論は考えていない」と明言した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕オンラインで記者会見する日本原水爆被害者団体協議会の田中重光代表委員＝２日午後