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震災乗り越え、変わらぬ味=元食堂「アイスキャンデー」―地域に愛され75年・神戸


 6434人が犠牲となった阪神大震災から、17日で27年。被害の大きかった神戸市東灘区では多くの建物が倒壊し、1947年から続く大衆食堂「鈴木商店」も調理場がつぶれるなどした。店を閉める話もあったが、以前から手作りする「アイスキャンデー」の専門店として再開。後を継いだ和田純子さん(52)=兵庫県伊丹市=は先代のレシピを守り、変わらぬ味を提供している。  「ミルク金時を20本」。昨年12月、国道沿いの鈴木商店には寒空の中、常連客らが訪れていた。牛乳や砂糖などで作った原液を型に流し入れ、棒を挿して冷やし固めた昔ながらの「アイスキャンデー」。和田さんは朝作ったばかりの商品を冷凍庫から取り出すと、新聞紙で包んで手渡した。  同店は戦後間もなく、和田さんの親族が食堂として始め、伯母夫婦が引き継いだ。麺類や丼などを出す傍ら、手作りのアイスやソフトクリームも販売。高校生の頃から手伝っていた和田さんは「近くの市場で働く人や家族連れで繁盛していた」と懐かしむ。  しかし、95年の震災で状況は一変。大きな揺れで調理場のあった平屋がつぶれ、隣接する伯母夫婦の自宅も全壊した。2人は店の2階で寝泊まりしており無事だったが、食堂の継続は困難に。高齢のため店を閉めようと思ったが、「アイスだけでも」という常連客の声に押された。製造機は幸い無傷で、専門店として再出発を決めた。  和田さんが店を継いだのは2014年。夫を亡くし1人で切り盛りしていた伯母から持ち掛けられた。「おばちゃんらが築いてきたものを壊さんように、との思いだけだった。地元の方に長年愛されており、私の代で終わらせたくなかった」と振り返る。  アイスの原料や作り方は昔のままで、棒を挿したり包み紙を巻いたりするのも手作業だ。早朝の仕込みは、いとこらが手伝う。味はミルクやバナナなど4種類で1本80円から。夏は1日約800本売れるという。和田さんは「100円玉を握って買いに来る子供もいる。ずっと(伯母の仕事を)見てきたから、変えずに続けることはできるかな」と笑った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕大衆食堂だった「鈴木商店」で作られている「アイスキャンデー」=2021年12月10日、神戸市東灘区
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