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閉塞感打破を期待=チリ大統領選


 【サンティアゴ時事】19日に実施されたチリ大統領選の決選投票で、有権者は学生運動出身で企業や官公庁に勤めた経験のない左派ボリッチ氏(35)に国のかじ取りを任せた。約30年に及ぶ中道政権下で蓄積された閉塞(へいそく)感の打破を、力量は未知数ながらも勢いがある若手に求めた。  1990年の民政移管後、中道左派、中道右派の歴代政権は新自由主義を政策の中心に置き、多くの国と自由貿易協定(FTA)を締結。銅などの資源や養殖サーモン、ワインなどを輸出し「南米の優等生」の地位を保ってきた。  この間、貧困率は劇的に下がったものの、富裕層と中間層の格差は拡大。不満は限界まで募り、2019年10月、地下鉄運賃値上げをきっかけに起きた抗議行動は、多くの死傷者を出す暴動に発展した。治安悪化に加え、新型コロナウイルス禍で国民の家計は逼迫(ひっぱく)し、政府が年金積立金の取り崩しを認めたことで社会保障制度への不安も高まった。  ボリッチ氏は選挙戦で、強権を振るったピノチェト軍政への郷愁を隠さず女性や同性愛者の権利拡大に消極的な対抗馬のカスト氏を極右の「ピノチェト主義者」と攻撃。世界的に名声が高い元大統領で中道左派のバチェレ国連人権高等弁務官の支持を取り付け、中道票獲得にも成功した。  ただ、勝負を制したとはいえ「ボリッチ政権」の将来は必ずしも安泰ではない。議会は上下両院で左右両派がほぼ拮抗(きっこう)。妥協や忍耐、調整力が試される。ボリッチ氏に投票した有権者からは「極左か極右しか選択肢がなく、ましな方を選んだ」(スーパー店員)、「暴力的な左派に不安はあるが、生活状況を良くしてくれそうだから」(年金生活者)と消極的支持だったとする声が上がった。 【時事通信社】
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