
今年2025年は、日本でメタボリックシンドロームの診断基準が策定されて20年の節目。健康的な体を維持するために、今こそ内臓脂肪について理解し、正しいケアを取り入れていきましょう。
日本肥満学会 名誉会員でもある医師の宮崎滋先生にお話を伺います。
日本では2005年に独自の診断基準が策定され、2025年でちょうど20年を迎えます。
診断基準では、
・ウエスト周囲長:女性90cm以上(男性は85cm以上)
・高血圧:収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
・高血糖:空腹時血糖値110mg/dL以上
・脂質異常:中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満
このうち、ウエストの基準を超え、ほか2項目以上に該当するとメタボリックシンドロームと診断されます。
その結果、見た目は痩せていても、体内では脂肪が蓄積しやすくなっている、いわば「かくれ脂肪体質」の人も増えているといいます。
特に脂質の多い食事が習慣化していると、内臓脂肪の蓄積につながる可能性があると警鐘を鳴らします。
近年、さまざまな選択肢が増えてきたメディカルダイエットを検討するのも一案です。
昨年発売された薬局で購入できる大正製薬の「アライ」は、脂質の吸収を抑えることで体重管理をサポートする医薬品。
食事に含まれる脂肪の約25%を体外に排出する作用があり、内臓脂肪の減少が期待できることから注目を集めています。

また、購入の際には購入前1カ月の生活習慣改善の記録をつけるなどが必要です。
さらに、脂肪を排出する過程で一時的に便が緩くなってしまったり、便漏れを起こすこともあるという人もいますが、使用を続けると、徐々に落ち着いてくる傾向があるそう。
また、市販のキトサンのサプリメントと一緒に使うと、キトサンが便とあわせて消化されていない油をからめるので、便漏れしづらくなるとも言われます。

脂肪の摂取量が多すぎると内臓脂肪が増えやすくなります。揚げ物やスナック菓子の頻度を減らし、良質な脂質(ナッツ類、青魚など)を選びましょう。
・運動習慣を身につける
いきなり激しい運動をするのではなく、まずは1日15分のウォーキングやストレッチなど、続けられるものを習慣化するのがコツ。
・食事の時間を意識する
夜遅い食事は脂肪として蓄積しやすいため、22時以降の食事は控えるのが理想的。
朝食をしっかり摂ることで、1日の代謝を上げることも大切です。
・食欲のコントロールを意識する
ストレスや疲労があると、つい食べ過ぎてしまうことも。
イライラしている時に食べ物を食べると、思わず食べすぎてしまう傾向もあるのだとか。

30代になると、20代までの若い頃とは違い、「気をつけているのに太る」と感じることが増えてきます。
これは基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化によるものですが、正しい知識を持ち、適切な方法で対策をすれば、健康的な体を維持することは可能です。
進化したメディカルケアも活用しつつ、食生活や運動習慣を見直して、無理なく継続できる形で取り組んでいきましょう。
【監修】宮崎滋 先生 プロフィール

1971年 東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)卒業、第一内科勤務。都立墨東病院内科、東京逓信病院 内科部長、副院長を歴任。東京医科歯科大学で臨床教授を務め、後進の教育にも注力。専門は糖尿病、肥満症、内分泌学で、食事療法や運動療法を軸にした治療法を展開。