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【ハンドメイド】アメリカに伝わる伝統技法「パッチワークキルト」って?歴史や特徴をご紹介~世界の手芸~


世界には、さまざまな種類の手芸技法が存在します。

国や時代ごとに異なる表現が生み出されてきた手芸技法はどれも美しく、見ているだけでとても楽しいです。

今回は、そんな中から、アメリカに伝わる伝統的な技法「パッチワークキルト」をご紹介します。世界の手芸から、その国の歴史や文化を紐解いていきましょう。

パッチワークキルトとはどんな技法?特徴と刺し方

パッチワークキルトは、アメリカに伝わる伝統的な手工芸です。パッチワークキルトについてのお話をする前に、まずは「パッチワーク」と「キルト」についてご紹介します。

パッチワークとは?

パッチワーク(Patch work)とは、「つぎはぎ」「寄せ集め」という意味を持つ英語「patch」が由来の、カラフルな布と布を縫い合わせて模様を描いていく技法です。

デザインは、四角い布を縫い合わせたシンプルなものから、何枚もの布をつぎはぎして模様やイラストを描いたものまで様々です。伝統的な模様は何と5,000以上もあるそう。その中には、幾何学模様や花、星や風車といった身近なものや、「突撃する鳥」「壊れた皿」といったユーモラスなものまであり、聞くだけでワクワクしてきます。

キルトとは?

キルト(Quilt)とは、「物の詰まった袋」という意味を持つラテン語「CUL CITA」を語源に持つ言葉で、表地と裏地の間に薄い綿を入れて縫うことで布に厚みをつける技法です。こうすることで、ベッドカバーや毛布などをより暖かいものに仕上げることができ、柔らかさと耐久性も増します。

そんなパッチワークとキルトを組み合わせて出来たのがパッチワークキルトという技法です。布を切って貼って模様を生み出していく過程はまるで工作のよう。作り方次第では好きなイラストを表現することもできるため、絵が好きな方にもおすすめです。

さらに、コースターやポーチといった小さな作品も作ることができるため、裁縫初心者の方でもトライすることができるのも魅力のひとつ。一方で、掛け布団やタペストリーなどの大きな作品は作るのに非常に時間がかかり、完成まで数年かかることもあるそうです。

ここからは、発祥地や歴史をさらに詳しく見ていきましょう。

パッチワークキルトを学ぶには?

パッチワークキルトを学ぶには、どうしたらいいのでしょうか?パッチワークキルトには、以下の道具が必要です。

  • 使用したい生地
  • キルト綿
  • まち針
  • ハサミ
  • 型紙に使用する厚紙
  • 指ぬき

パッチワークキルトでは、生地の間に挟むキルト綿が必要になります。それをしつける際にしつけ針やまち針があると便利です。布を切る作業が多いため、ハサミは切れ味の良い断ちバサミを用意しておきましょう。また、たくさん縫うので、指ぬきががあると効率よく安全にざくざくと縫い進めることができます。ミシンが得意な方は、手縫いではなくミシンで縫い進めても良いかもしれません。

パッチワークキルトは簡単な作品からステップアップすることができるので、初心者の方でも気軽に始めることができます。最近ではキットや通信講座も充実しているので、家で取り組むこともできますよ。お教室やカルチャーセンターでの講座も開かれているので、1人で始めるのが不安という方はお問合せしてみてくださいね。

パッチワークキルトの歴史

自由の国アメリカの伝統手工芸として知られるパッチワークキルトですが、もともとパッチワークはヨーロッパの裕福なご婦人方が嗜む手芸でした。17世紀、ヨーロッパ人が新大陸に流入して1776年にアメリカが建国すると、パッチワークもアメリカに持ち込まれました。当時のアメリカでは、かつてのヨーロッパのように女性たちが盛んにパッチワークを制作したそうです。ですが、この頃の作品はまだ実用性からはかけ離れたもので、ただ飾って眺めていただけのようです。

その後、より実用性を求めてパッチワークとキルトを組み合わせたパッチワークキルトが誕生し、1800年代中頃には中流家庭の女性たちの間で大流行しました。かつては今よりも布が貴重だったため、着られなくなった服や使わなくなった寝具の中でまだ綺麗な部分の布を切り出して継ぎ合わせることで、新たなアイテムに生まれ変わらせるとうになったのです。ですから、この頃はまだ現在のような凝った模様のデザインを一般市民が作ることは稀だったようです。まさに生活の知恵ですね。

その後、産業革命で布の大量生産が可能になり、色々な模様の布なんかが売られるようになると、庶民でも気軽に素敵なパッチワークキルトが作れるようになりました。こうして、可愛さと実用性を兼ね備えたパッチワークキルトがアメリカ全土で一般市民に広まったのです。

また、南北戦争の時代には、奴隷制度の廃止運動を推進する資金を集めるためにパッチワークキルトが作られました。作られた作品は兵士に配られ、寝具として使用されたそうです。

パッチワークキルトはただのファッションアイテムというだけでなく、アメリカという国の発展や歴史と密接に関わっていたのですね。

パッチワークキルトの有名な地域

パッチワークキルトは、アメリカの北東部ニューイングランドの中流階級の女性たちを中心に発展していきました。これは、1620年にイギリスの船メイフラワー号が海を渡ってアメリカ・ニューイングランドのケープゴットに辿り着いたことに由来します。

現在では、ボストン近郊のローウェルという街に「ニューイングランド・キルトミュージアム」が建てられ、パッチワークキルトの作品や資料が展示されているそうです。ご興味がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

アメリカの伝統技法パッチワークキルト

カラフルでどこか温かみのあるパッチワークキルト。可愛いだけでなくアメリカの歴史と深く結びついていることが分かりました。当時は全て手作業で製作していましたが、現代ではミシンがあります。便利な道具だけでなく、美しい柄の布がいつでも気軽に購入できる今の時代は、手芸好きにとってはとても恵まれていますよね。

気になる方は、まずは身近な小物から制作してみてはいかがでしょうか。アメリカの文化が好きな方や新たな趣味を見つけたい方も、ぜひパッチワークキルトにチャレンジしてみてください。


karin

余暇プランナー

針仕事をしながらお茶を飲むのが日々の癒し。 ビーズやスパンコールでキラキラなフランスのオートクチュール刺繍に魅せられて、そこからリボン刺繍やフランス刺繍にも手を出し…、手芸用品を見るとついつい財布の紐が緩んでしまうのが悩みの今日この頃。 不器用でも初心者でもハンドメイドを楽しめる、そんな記事を発信していきたいと思っております!

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