日本の伝統的な模様である和柄。和を演出したい時に取り入れたいデザインです。
和柄は同じパターンが続いていくものがほとんど。バランスがうまく取れないときれいに仕上がらないので、手描きは難しいと感じるかもしれません。
しかし、コツが分かれば簡単!好きな画材を使って手描きで描いてみましょう。うまく書けるようになるととても楽しいですよ。
和柄にはそれぞれ意味が込められているので贈り物にもぴったりです。
今回は10種類の和柄の描き方と込められた意味をご紹介します。
手描きで楽しむ和柄のススメ
和柄とは
和柄とは伝統的な文様をパターン化して規律正しく並べたもの。 和柄のパターンは平安時代中期からデザインされたものもあり、今でも多くのデザインがそのまま使われています。
モチーフとなっているのは動物や植物、幾何学模様などがあります。
和柄のポイントはそれぞれの文様に意味があるところ。使いたい場面によって意味も合わせると、より思い入れの深い作品になります。
和柄のおすすめポイント3つ
- それぞれに意味がある
- 和の雰囲気を演出できる
- アレンジしていろんなパターンを楽しむことができる
まずは 「それぞれに意味がある」 ところ。
和柄には文様ごとに意味があります。それぞれの意味は書き方と一緒にご紹介します。
おめでたい意味がたっぷり込められているので、お祝い事に合わせてどの和柄を使うか選ぶことができます。
次に、 「和の雰囲気を演出できる」 ところ。
お正月や七五三、お宮参りなど、着物を着たり伝統行事の時は和の雰囲気を取り入れたいですね。
和柄をあしらうことで和の雰囲気をより演出することができます。
そして、 「アレンジしていろんなパターンを楽しむことができる」 ところ。
和柄は色を変えるだけで可愛らしくしたり、ポップな雰囲気にしたりすることができます。
チェック柄のように西洋のデザインに似ているものもあるので、色々なデザインに組み合わせやすいのが魅力。
色の塗り方もすこし変えるだけで全体のイメージをがらりと変えることができます。
和柄を手書きするときに使う道具
基本は書きたい素材の紙と画材を用意します。
ここでは和柄をさらに美しく書くためのおすすめグッズを2つ。
- 方眼紙
- ものさし
和柄は一つの文様が並んでパターンを作っているものがほとんど。パターンがきれいにそろっているほど美しく見えます。
手描きの場合、どうしてもずれてしまいがち。そんな時に使いたいのが方眼紙です。まずは方眼紙や方眼ノートで練習すると和柄を書くコツがわかりやすいです。
慣れてきたらものさしで白い紙にも描いてみましょう。
点で描く和柄2種
豆絞り(まめしぼり)
「 豆絞り 」は文字通り豆のように見える水玉模様。
豆はたくさん実がなるので「 子孫繁栄 」や「 事業拡大 」などの意味があります。
豆絞りはとても簡単で、等間隔に丸を描いていきます。丸の大きさはまばらの方が豆絞りらしいですね。
豆絞りは手描きにぴったり。
鹿の子(かのこ)
小鹿の背中の模様に似ているので「 鹿の子 」。鹿は神様の使いともいわれ、「 子孫繁栄 」の象徴です。
鹿の子は鹿の子絞りといわれる染物の技法。とても手間がかかる贅沢品です。
鹿の子柄も点を使います。方眼紙であれば四角の真ん中に点をうち、その周りをざっくり四角く囲みましょう。丸みがある方がそれらしく仕上がります。すべて囲んだら隙間を塗りつぶしましょう。
白い部分と色のついた部分は反対に描くこともできます。どちらも可愛らしいですね。
線で描く和柄2種
平行に何本も引いた線を使って描くデザインです。コツさえつかめば簡単!加える絵柄でバリエーションが増える2つの和柄をご紹介します。
立涌(たてわき)
「 立涌 」は日本の線が膨らんだりへこんだりしている文様。水蒸気が立ち上がる様子を表しています。 運気が上がる 文様ともいわれます。平安時代は貴族の装束に使われていた高貴なデザインです。
書き方は縦線を等間隔で描きます。線の上にも等間隔に印をうちますが、1つおきに印の場所をずらします。印に膨らみが近づくように波線を描きましょう。
ふくらみの間に 雲を描くと「雲立涌」。菊を描くと「菊立涌」など様々なバリエーションがあります。
矢絣(やがすり)
「 矢絣 」は矢羽の羽根の形の文様。よく目にする和柄の一つです。
「 的を射る 」「 まっすぐ進む 」という意味で縁起物としてよく使われます。
矢絣も等間隔に並んだ線を使って描きます。線と線の間、2本間隔でジグザグを描いていきましょう。
描いたジグザグの間の矢羽根の形になっているところを塗ります。1か所塗ったら上下左右は塗らず、一つ置きに色をつけます。
これで完成です。真ん中に白い線を入れるとさらにわかりやすくなりますね。
正方形で描く和柄3種
正方形を使って描くデザインです。バランスもとりやすく色々な場面で使いやすい和柄ですよ。
市松模様(いちまつもよう)
「市松模様」は石畳や霰とも呼ばれ、色違いの正方形を交互に描いた文様です。西洋ではブロックチェックとして親しまれている使いやすいデザイン。「市松模様」という名前は江戸時代から広がりました。
同じデザインがずっと続くことから「 子孫繁栄 」「 事業拡大 」の意味があります。
描き方はとてもシンプル。タテヨコに線を引き、正方形を交互に塗っていくだけです。白と合わせても2色とも色にしてもいいですね。
重なった部分を黒く、間はグレーで塗ると「弁慶格子」になります。
青海波(せいがいは)
「 青海波 」は有名な伝統文様の一つ。さりげなく取り入れられているので見たことがある人も多いはずです。文字通り青い波がモチーフとなっています。
海の恩恵やどこまでも続く穏やかな波のイメージから「 いつまでも幸せや平和な暮らしが続くように 」という願いが込められています。
青海波はきれいに描くのが難しいですが、方眼紙で練習してコツをつかみましょう。
少し大きめの正方形がいくつもできるようにタテヨコに線を引きます。
1段目は下の2つの角から虹を書くように正方形の下半分にアーチ。2段目は残りの半分に最初に描いたアーチの真ん中同士をつないでアーチを描きます。2段目のアーチは正方形の上のそれぞれの角に届くように。
全体にアーチが描けたらあとは中に3本アーチを足すだけです。
最初はバランスを取るのが難しいですが、コツが分かればフリーハンドでも描くことができます。
七宝(しっぽう)
「 七宝 」とは仏教における7つの宝物。円がどこまでも続くので「 円満 」「 ご縁 」などの意味があります。 結婚や引っ越しなどのお祝いにぴったり。 中に花を描く「花七宝」も可愛らしいですよ。
複雑そうな七宝も正方形を使うと簡単。交差するようにななめの線を引いて正方形を描きます。あとは正方形の辺を丸く膨らむように塗るだけです。
色を交互に塗ったり、中までぬらず縁どりだけにしたりとアレンジしやすい文様です。
三角で描く和柄2種
鱗(うろこ)
三角形を並べた文様を「鱗」といいます。文字通り魚や蛇の鱗のイメージです。
鱗は身を守るためのものなので魔除けとして使われてきました。また、脱皮を繰り返す蛇は生命力の象徴で「 再生 」の意味もあります。
鱗を描くポイントは正三角形や二等辺三角形をきれいに並べることです。同じ幅で3本の線を描き、交差した中に三角形を描きましょう。
後は色を塗り分けるだけで、色を塗る三角は正位置です。塗らない三角は逆三角形になっています。
麻の葉(あさのは)
「 麻の葉 」も和のデザインに取り入れやすい文様です。麻は成長が早く、すくすくと丈夫に育つので「 子どもの健やかな成長 」への願いが込められています。
複雑に見えますが、鱗の三角形を応用します。まず鱗と同じように三角を描きましょう。あとは一つの三角形の真ん中に向かって3つの頂点から線を引くだけ。
慣れるとこちらもフリーハンドで描きやすい柄です。
和柄でポチ袋
描きなれてきたら、和柄を使ってポチ袋を作ってみましょう。
【材料と道具】
- 無地の封筒
- 色えんぴつ
- ものさし
- マスキングテープ
【作り方】封筒にマスキングテープを貼る
和柄を描きたい場所を決めマスキングテープで囲みます。後で剥がすので、長い間貼らないように注意してください。はがしにくくなりますよ。
和柄はどこまでも同じ文様が続くので境界線を作るのがおすすめ。
【作り方】好きな和柄をデザインを描く
マスキングテープで囲んだところに和柄を描きましょう。描きあがったらマスキングテープをはがしましょう。これで完成です。
和柄を取り入れて日本文化を楽しもう
「和」というと上品で奥ゆかしいイメージ。好きだけれどもイメージ通りに取り入れられないと思うかもしれません。
しかし、書き方を覚えるとアレンジは自由。好きな色、好きなイラストと組み合わせて楽しみましょう。
手描きで描く和柄はコツがいりますが、慣れてしまうとちょっと取り入れたい時にとても役に立ちます。
ほかにもまだまだ和柄はありますので、いろいろと挑戦してみてください。
出典・参考
cocohouse.m
余暇プランナー
ハンドメイド作家歴9年。 イラストを描くことが好きで、オリジナルイラストを使ったグッズやワークショップをしています。minneとCreemaを中心にネット販売も数年前から始めました。多くのお客様に作品をお届けできていることをうれしく思っています。県内のイベントにも年10回ほど出店しています。ハンドメイド販売の楽しさやポイントなどをお伝えできたらと思っています。