針と糸でちくちくと布に模様を描いていく「刺繍」。初心者さんには難しそうな刺繍ですが、実は針と糸さえあれば気軽に始めることができるんです。
今回は、刺繍を始めるにあたって絶対に知っておきたい基本のステッチを10個ご紹介します。
基本のステッチを組み合わせるだけでもたくさんの作品が作れるようになるので、ぜひ参考にしてみてくださいね♡
フランス刺繍の基本をおさらい
フランス刺繍とは、中世ヨーロッパに上流階級の女性たちの中で広まった刺繍技法だと言われています。多くの方が「刺繍」と聞いて思い浮かべるのは、このフランス刺繍ではないでしょうか。
刺繍糸の柔らかい色合いで描き出される、動物やお花モチーフの素敵なデザインに心惹かれますよね。 実際に「作ってみたい!」と思ったことがある方も多いはず。
実は、複雑そうに見えるデザインでも、その多くは基本のステッチの組み合わせで縫われています。
今回の記事でご紹介する刺繍のステッチはとても簡単 なので、ぜひチャレンジしてみてください!
刺繍を始めるために準備するもの
刺繍を始めるために用意して欲しいものはこの5つ!
- 刺繍針
- 刺繍糸
- 布(木綿、リネンなど)
- 刺繍枠(8〜13cm)
- ハサミ
布は、初心者の方は木綿やリネンが刺しやすくておすすめです。
刺繍枠は、簡単な練習程度ならば必ずしも用意する必要はないのですが、使用した方が刺しやすく、仕上がりも綺麗になると思います。手の小さな方なら8〜10cm、大きめの枠でたくさん練習したいという方は10〜13cmがおすすめです。13cmより大きいものは持ちづらくなってしまうため、大きなデザインを刺繍したいとき以外はおすすめしません。
刺繍糸は、細い6本の糸が一括りに集まって束になっています。何本使うかは作品に合わせて自由に決めても良いのですが、基本的には1〜2本どりで使うことが多いです。1本どりと6本どりでは同じステッチでも雰囲気が全く異なるので、いろいろと試してみて自分の好みを見つけてみましょう。
基本のステッチ10選
刺繍枠に布を張り、針に糸を通したら、 いよいよ刺繍のスタート です!
ここからは、刺繍で自由に作品を作るためには欠かせない代表的な10個のステッチを、写真と共にご紹介します。また、刺し方の例に挙げているステッチの長さは、あくまで目安です。お好みの長さで刺してみてください。
ストレートステッチ
糸をまっすぐに刺す、1番簡単なステッチが 「ストレートステッチ」 です。
これを応用してお花のように刺したものは、 「サウザンドフラワーステッチ」 と呼ばれています。
ランニングステッチ
「ぐし縫い」や「なみ縫い」とも呼ばれる 「ランニングステッチ」 は、小学校の家庭科で習ったという方も多いのではないでしょうか。表・裏と交互に波のように刺していくステッチです。
アウトラインステッチ
「アウトラインステッチ」 という名前の通り、図案の輪郭線を刺すときによく使われるステッチです。
糸を何本使うかによって雰囲気がガラッと変わるので、太めのラインで作品の周りを額縁のように装飾しても可愛いですね。ねじれたような縫い目で、立体感が出るのが特徴です。
① 針を出し、4mm先に差し入れます。
② 最初に針を出したところの2mm先から針を出します。
③ たわんだ糸を左手の親指で押さえ、針を上に抜きます。
④ これを繰り返します。
バックステッチ
縫い目に間隔が無い 「バックステッチ」 は、アウトラインステッチと同様、図案の輪郭に使われることが多いです。後ろに針を戻してから前に進むことから、この名前がつきました。
① 針を出し、その3mm後ろに針を差し入れます。
② 6mm先から針を出します。
③ これを繰り返します。
レゼーデージーステッチ
輪っかを作って縫い留めることで、花びらや葉っぱを表現する 「レゼーデイジーステッチ」 。「デージー」とは英語で「ヒナギク」のこと。このステッチを使って、ヒナギクのような可憐なお花を刺してみましょう!
① 針を出して糸を引き抜いたら、再び同じ所に針を浅く差し入れます。
② 先ほど刺した針を引き抜かないまま、離れたところから針を浅く出します。
③ 糸を輪っかのようにした、浅く出した針に引っ掛けます。
④ 輪を小さなステッチで刺し留めたら完成です。
チェーンステッチ
「チェーンステッチ」 は名前の通り、鎖のような見た目をしたステッチです。
輪郭線としても使えますが、横幅が広いので効率よく面を埋めたいときに使うのも良いでしょう。装飾性の高いステッチでもあるので、そのまま作品のアクセントとしても綺麗に映えます。
① レゼーデージーステッチの①〜③の工程をします。
② 輪の内側に針を刺し、また同じ工程を繰り返します。続けると鎖のような模様になっていきますよ。
ロングアンドショートステッチ
長いステッチと短いステッチをランダムに繰り返す 「ロングアンドショートステッチ」 は、面を埋めるときに使われます。
縫い目に動きが出るので、動物の毛並みを上手に表現することができます。色のグラデーションも表現しやすいので、お花を刺しても可愛いですよ。
コーチングステッチ
「コーチングステッチ」 は、図案の上に置いた刺繍糸を、別の糸で縫い留めていく少し不思議なステッチです。
自分の好きなように糸を配置できるので、曲線を素早く縫いたい時や文字を縫うときにおすすめです。色の組み合わせも選べるので、メタリックの糸で縫い留めても可愛いかもしれません。
フレンチノットステッチ
これまでのステッチとはまったく違う見た目にびっくりしてしまうかもしれませんが、 「フレンチノットステッチ」 も立派なステッチのひとつです。
コロンと丸いフォルムが可愛らしい「フレンチノットステッチ」は花芯に使うことが多いですが、たくさん刺すことで羊やトイプードルのモコモコとした毛並みを表現することもできます。
① 裏から糸を出したら針先を上に向け、針に糸をを巻き付けます。2本どりの場合、2〜3回巻くことが多いです。
② 糸をギュッと引き締めて、玉を作ります。
③ 最初に糸を出した穴の側に針を差し入れ、固定したら完成です。
サテンステッチ
図案を刺し埋めたいときによく使うのが 「サテンステッチ」 です。
ガイドとなる下糸の上から糸を間隔なくみっちり刺すことで、サテンのような光沢と立体感を生み出せます。
基本のステッチを応用して小さな作品作りに挑戦!
今回の記事では、刺繍を始めるにあたって必ず身につけたい10個のステッチをご紹介しました。
難しそうに見える刺繍も、実は簡単なステッチの組み合わせだということが分かっていただけましたでしょうか。この記事が、刺繍を始めるきっかけになれば嬉しいです。
ここまで見てきた10のステッチを応用して、簡単な作品を作ってみましょう。いきなり動物やキャラクターを刺すのは難しいですが、 基本のステッチを並べて一覧にするだけでも立派な作品になりますよ。
皆さんも練習がてら、ぜひチャレンジしてみてください!
基本のステッチを身につけて、おうち時間は刺繍を楽しみましょう♡
karin
余暇プランナー
針仕事をしながらお茶を飲むのが日々の癒し。 ビーズやスパンコールでキラキラなフランスのオートクチュール刺繍に魅せられて、そこからリボン刺繍やフランス刺繍にも手を出し…、手芸用品を見るとついつい財布の紐が緩んでしまうのが悩みの今日この頃。 不器用でも初心者でもハンドメイドを楽しめる、そんな記事を発信していきたいと思っております!