濃い色合いの枝葉が美しく、シックでかっこいい印象のブラックプランツ。単体で美しいだけでなく、庭にメリハリをつけて奥行きや広がりを演出する存在にもなってくれます。
庭が平面的で単調な感じがする、普通な感じで少しつまらない…と感じている人にはブラックプランツがおすすめ!初心者でも育てやすい品種をご紹介します。
ブラックプランツとは?
黒葉、銅葉とも
ブラックプランツとは濃い色の枝葉をつける植物のことで、黒葉やブラックリーフなどとも呼ばれます。また黒っぽいと言っても完全に黒色の枝葉はあまりなく、赤茶っぽいものや紫っぽいものなどもあり、銅葉やブロンズリーフなどと呼ばれるものも含みます。
そして緑色以外の葉を持つ植物は総称としてカラーリーフと呼ばれます。
カラーリーフとしての役割
庭が単調だと感じるときは、同じような緑色の葉ばかりが植えられている場合があります。そういうときには緑葉以外のカラーリーフを入れてあげると、植栽に陰影ができて一つ一つの植物が引き立ちます。
でも、 なにを植えていいのか分からない! という人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのがブラックプランツです。
丈夫で育てやすい種類をご紹介
ブラックプランツを植えることで 庭が引き締まり 、 ほかのカラーリーフも取り入れやすく なります。そしてブラックプランツ単体でも美しく目を引きやすいので、初心者でもお気に入りを見つけやすいカラーリーフといえます。
今回は、代表的なブラックプランツのなかでもガーデニング初心者にも取り入れやすい品種をピックアップしてみました。丈夫で育てやすく、ほかの植物と合わせやすい種類を選んでいますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コルジリネ レッドスター
濃い色のラインで庭をかっこよく
コルジリネは直線ラインの葉を持つニュージーランドやオーストラリア原産の植物です。
品種によって緑葉、斑入り、ピンクの斑入りなど葉色もさまざま。若い苗はニューサイランに似ていますが、成長すると幹立ちするのが特徴です。
なかでもレッドスターは暑さや寒さに強く、観葉植物としても人気です。成長がゆっくりでコンパクトなので、 初心者でもほかの植物に合わせやすい のがポイントです。
性質と特徴
レッドスターはコルジリネの中でも寒さに強く、関東以西では地植えができます。ただし若苗では寒さで弱ってしまうことがあるので、積雪する場所ではある程度成長している苗を植えるのがおすすめです。
上に向かって成長しますが、大きくなりすぎたら途中で茎を剪定するとまた新しい芽が出てきます。日向を好みますが、日陰でもきれいな銅葉を保ってくれます。
アジュガ レプタンス
葉も花もシックでかわいい
アジュガはシソ科の多年草で、匍匐性で絨毯のように広がって繁殖するグランドカバー向きの植物です。品種によって成長速度に違いはありますが、なかでも黒葉のレプタンスは成長が早い方で、 広範囲のグランドカバーにしたい人におすすめ です。
葉色が豊富なアジュガの黒葉種にはほかにも、葉の大きいキャトリンズジャイアント、より黒葉のブラックスカロップなどがあります。
性質と特徴
寒さにも強く、寒冷地でもグランドカバーに使えます。根が浅く乾燥に弱いため湿った場所が好きで、耐陰性も強く日陰でも育ち、シェードガーデンにもおすすめです。アジュガは日向が少し苦手ですが、レプタンスは水やりをしっかりすれば比較的よく育ちます。
花は青紫色で、4月~5月頃に株いっぱいに開花します。春は花の絨毯を楽しめるのも魅力です。
ユーフォルビア ブラックバード
オーナメンタルな印象に
ユーフォルビアは非常にたくさんの品種があり、一年草や多年草、低木や多肉植物とさまざまなタイプに分かれます。
ブラックバードは多年草の銅葉品種で、黄緑と赤色が混ざったような絶妙なカラーリングのユニークな花を春に咲かせます。 オーナメンタルな雰囲気で、かっこいい庭にしたい人におすすめです 。また比較的コンパクトに育つので、狭い庭でも挑戦しやすい品種ですよ。
性質と特徴
寒さにあたるとより葉色が濃くなります。ブラックバードは銅葉のユーフォルビアの中でも夏も濃い色を保ち、一年中葉色を楽しめます。耐寒性は-8℃前後と比較的強く、暑さにも耐えられて丈夫です。
乾燥にも強いのでサボテンなどとも合わせやすく、ドライガーデンやロックガーデンにも向いています。蒸れにはやや弱いので、風通しのよい場所で育てます。
アメリカコデマリ ディアボロ
シンボルツリーにも
アメリカテマリシモツケなどとも呼ばれる、北アメリカ原産の落葉低木です。
ディアボロは濃い銅葉が美しく、春には白いコデマリのような花を咲かせ、花後には真っ赤な実をつけます。 シックな姿はイングリッシュガーデンやナチュラルガーデンにもぴったり で、バラともよく合います。
暑い時期もきれいな銅葉を保ち、秋から冬にかけてさらに濃くなって冬には落葉します。一年中いろんな姿を見せてくれるうえ、丈夫で育てやすいおすすめの花木です。
性質と特徴
暑さと寒さのどちらにも強く、寒冷地でも地植えができます。また病害虫にも強く丈夫で、初心者におすすめです。
樹高は1.5~2mほどですが、剪定にも強いので場所に合わせて育てることができます。花を楽しみたい場合は、花後から夏までに剪定しましょう。若木のうちはやや乾燥に弱いので気をつけてください。
サルスベリ ブラックパール
夏を彩るブラックプランツ
夏の代表的な樹木サルスベリの黒葉品種、ブラックパール。花色はホワイト、レッド、ルビー、ライトピンク、ルージュの5種類があり、どれも葉と花のコントラストが美しい樹木です。
普通のサルスベリに比べて樹高1.5~2mとコンパクトな樹形で管理しやすく、 丈夫で育てやすいので初心者向き でもありますが、冬は落葉します。
性質と特徴
暑さ寒さに強く、寒冷地でも地植えができます。花付きもよく、暑い夏の間も長く花を楽しめますが、咲き終わった花を切り戻すと二度咲きしてさらに花を咲かせてくれます。
剪定時期は12月~3月で、枝の根元から剪定すれば翌年大きな花が、枝の途中で軽く剪定すれば小さな花がたくさん咲きます。
育てやすくてかっこいい!
グランドカバーから庭木まで、美しいブラックリーフを楽しませてくれる品種をご紹介しました。どれも丈夫で育てやすいので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
またブラックプランツを植えて庭が引き締まったら、今度は斑入り葉やライムグリーンの葉を取り入れてみるとさらに庭にメリハリが出て表情豊かになります。最初からあまりたくさんカラーリーフを入れるとごちゃついた印象になってしまうので、少しずつ取り入れてみましょう。葉色を意識しながら植えると、ぐんとおしゃれな庭になりますよ。
しまうま
余暇プランナー
田舎暮らしの30代フリーライター。イングリッシュガーデンやオージーガーデンが好きな2児の母です。花屋と園芸店で勤務経験があり、今はガーデンデザインの勉強中。最近ついにマイガーデンに着手し、ゆる〜くかつ素敵なお庭を作るべく、日々試行錯誤しています。かっこよくて魅力的なネイティブプランツや、のびのび育つのに繊細なフォルムのハーブや花々が好き。リアルな庭作りの情報をお届けしたいと思います。