2024年7月24日(水)、東京・渋谷にて第2回「ソトコト・ウェルビーイング未来アワード2024」授賞式が開催されました。今回は『ソトコト』が取材した、ウェルビーイング=ご機嫌な社会をつくるために活動している企業・団体のなかから5社が選ばれ、表彰されました。授賞式では各企業・団体の代表者とプレゼンターの指出一正によるインタビュー形式でのやり取りが行われ、あらためてその活動内容が掘り下げられました。ここでは授賞式の模様をレポートします。
ウェルビーイングな社会づくりに取り組む
5つの企業・団体がアワードを受賞。
授賞式のはじめに、本アワードの実行委員長である指出一正が登壇、「ウェルビーイング」とは身体的、社会的に良い状態であることという直訳に対し、それでは心を揺さぶらないと指摘。「ご機嫌」と意訳することで、柔らかくて平たく明るくできると話しました。またウェルビーイングは中長期的な幸せであり、それは一人では築くことができないもので、それを成し遂げている受賞企業の活動は人が集まる、チャーミングで格好のいいものだと、あらためてその活動を称揚しました。
株式会社 マツザワさま
続いて授賞式では、まず『株式会社マツザワ』の森本康雄さんが登壇。トロフィーを授与されるとともに、自らが代表としてやってきたが、今回の賞は地域とそこの人たち全員で受賞したものだと喜びを語り、18年間続けてきた摘果リンゴを使ったお菓子づくりを振り返っていました。
30道府県で約2400もの食品事業者等が参画。「ローカルフードプロジェクト」が共創する持続可能なビジネス |…
2021年(令和3年)に農林水産省が開始した地域食品産業連携プロジェクト(通称「ローカルフードプロジェクト」。以下、LFP)。地域の農林水産物を有効活用するため、地域の…
株式会社 明治さま
次には『株式会社明治』から江原秀晃さんが壇上へ。千葉県の流山市とともに、子育てがしやすい環境をつくるプロジェクトについて、今後も流山市の発信力や本アワードなどを通じて活動に共感してくれる人を増やしたいと展望を述べました。
子育てしやすいまちから誰もが輝ける未来をつくる、明治の「こそだてMINNAdeプロジェクト」 | sotokoto onl…
2023年12月、千葉県流山市にある流山おおたかの森駅前の広場で、「森のマルシェ・ド・ノエル2023」が開催されました。クリスマス前、食べ物やクラフトなどを販売するブース…
株式会社 戸田酒店さま
続いては『株式会社戸田酒店』より夏井宗矩さんが登壇。『JA(農業協同組合)』と共同で、日本全国のローカルな農産物の魅力を広め、今回つくった賞味期限の長い冷凍納豆のようなさまざまな商品開発を続けていきたいと話しました。
商品づくりを通じて生産者と消費者の架け橋に。「氷眠納豆」に見る『戸田酒店』の取り組み | sotokoto onl…
各地の生産者を支援する『農業協同組合』(以下、JA)。この『JA』のつくる農産物を使った商品開発を進め、ローカルな農産物やその生産者を守る活動をしている企業がありま…
認定NPO法人 サービスグラントさま
4社目は『認定NPO法人サービスグラント』の岡本祥公子さんが登壇。たくさんの人が専門的なスキルを活かしたボランティアであるプロボノとして社会との関わりを持ち、集まることがウェルビーイングな世の中につながると語りました。
スキルを活かして地域に貢献。サービスグラントの「ふるさとプロボノ」がつなぐ人と社会の輪
ボランティア活動のなかでも、特に自らの持つ経験やスキルを活かして行う活動を「プロボノ」と言います。認定NPO法人『サービスグラント』では、人口減少の影響が濃い都市…
株式会社 GTC JAPANさま
最後は『株式会社GTC JAPAN』より田中剛さんが登壇。屋久島でのクラフトジンづくりなどを通じて日本のまだ知られていない魅力を発信していくことの大切さを説きました。
日本中の“ローカルグッド”を発掘して世界に発信。屋久島のクラフトジンから始まるゴキゲンなECサイト | sot…
2024年秋にローンチ予定の「日本のいいこと、いいもの、うまいもの」を発掘し、東京から世界へ向けて発信するECサイト『アーバン ライフ メトロ プレミアムストア』。発売…
授賞式のあとトークセッションを経て再度登壇した指出が、社会が変わるなかで自分やコミュニティをどうつくり、関わるかが大切であり、今後も多くの企業や団体とともに歩んでいきたいと総括を述べました。
鈴木康弘×指出一正トークセッション
積極的なコミットが生むウェルビーイングな状態。
授賞式ののち、指出(写真左)と『株式会社デジタルシフトウェーブ』の代表取締役社長・鈴木康弘さん(写真右)とのトークセッションが行われました。鈴木さんは受賞企業の方を見て、人との繋がりを持った明るさがあると語り、自身の専門分野であるDX(デジタルトランスフォーメーション)と、人との繋がりが生み出すウェルビーイングは一見相反するようで実現したいものは同じだと指摘。ウェルビーイングな取り組みの再現性を高めることにDXが役立てると、そのシナジーについて語りました。
両者はウェルビーイングについて「学園祭の準備」のようなものだと意気投合し、そこでは自然と人に役割が与えられ、社会との関わりが生まれていくと話し、そして、社会へ参加することの重要性について、「後方で腕組みして眺めているようではいけない。子どもを見習って、飛び込め、参加しろ」と真剣に訴え、当事者でいることがウェルビーイングな状態につながると、意見の一致を見ていました。
「ソトコト・ウェルビーイング未来アワード」への想いや期待、
そして展望を実行委員会メンバーも語る。
授賞式では、指出とともに実行委員を務める2名もコメントを発表。『株式会社メトロアドエージェンシー』の井上達也さんは、先の都知事選を例に小さな活動の波紋を大きなものにしていくことにアワードの意味があり、今後も広告を通じて社会に長期的な幸せをつくる手伝いをしていきたいと語りました。
『株式会社キャリタス』の石井伸明さんは自社の事業である新卒採用について、多様な働き方が生まれて採用の状況が過熱しているなかで、安心して働ける職場や信頼できる仲間づくりをサポートすることで、自身もウェルビーイングな社会づくりに協力していきたいと話しました。
photographs by Tomoki Hirokawa
text by Sotokoto
フリーペーパー「ソトコトウェルビーイング未来アワード2024」
「ソトコトウェルビーイング未来アワード2024」をより多くの人へ発信するために、受賞団体へのインタビュー記事などを掲載したフリーペーパーを配布します。
■配布概要
設置箇所 :東京メトロ駅構内ラック約150箇所以上
主な設置駅:銀座駅・渋谷駅・表参道駅・池袋駅などの主要駅
設置開始 :9月1日(日)~
※無くなり次第終了
※各駅へ順次設置開始します
※鉄道会社や駅係員へのお問い合わせはご遠慮ください
最後に、実行委員長の指出さんから、フリーペーパーについてメッセージをいただきました。
「第2回ソトコト ウェルビーイング未来アワード2024」の大賞が発表されました。
誠におめでとうございます! 受賞された企業と団体のみなさまのお取り組みは、私たちの毎日を軽やかに、そしてご機嫌にしてくれる笑顔いっぱいのものばかりです。
ウェルビーイングの真意を学びたい、まちと社会が幸せになる方法を考えたい、仲間が増え、自分が成長していくようなコミュニティづくりやプロジェクトを実行してみたいとお考えでしたら、ぜひ、お手に取っていただけましたらこのうえなくうれしいです!