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「HEM Pharma × 日本アムウェイ」パーソナライズド・マイクロバイオームに関するラウンドテーブルを開催


腸内マイクロバイオームに特化した韓国発のバイオベンチャー企業であるHEM Pharma Inc.の日本法人、株式会社HEM Pharma Japan(エイチイーエム ファーマ ジャパン)は、日本における個々の腸内環境に応じた「プロバイオティクス」を科学的に提案するパーソナライズド・ヘルスケア・ソリューションの提供を開始するべく、現在準備を進めています。

HEM Pharma Japanは、同社のヘルスケアサービスやマイクロバイオームなどについて、日本国内のメディアに向けたラウンドテーブルを開催しました。

 

HEM Pharmaとは

HEM Pharmaは、腸内マイクロバイオームに特化したヘルスケア企業。

腸内マイクロバイオームのシミュレーション技術である PMAS(Personalized Pharmaceutical Meta-Analytical Screening:個人化医薬品メタ分析スクリーニング)を活用した、カスタマイズされたヘルスケア事業のほか、LBP(Live Biotherapeutic Products:生きた治療用微生物製品)創薬プラットフォーム事業、CDO(委託開発)などを展開。

その日本法人であるHEM Pharma Japanは、日本国内でもマイクロバイオーム解析技術に基づく「個別化ヘルスケアサービス」の提供を目指し、活動を行っています。

 

マイクロバイオームについての特別講演

メディア向けラウンドテーブルでは、はじめにHEM Pharma Japan CEOのチ・ヨセフさんが登壇し、

「我々の企業は、マイクロバイオーム技術の商品化を目指して設立されました。有用な企業と協議を重ね、マイクロバイオームのトータルソリューションを提供するリーディング企業を目指しています。本日は、マイクロバイオームとは何か、そしてそれが今後のバイオヘルスケア産業にどのような影響を与えるかについて話していければと思います。」

と挨拶を行いました。

続けて、建国大学医学部助教授のキム・ジュウォンさんが、マイクロバイオームについて「私の体の中のもう一人の私」と題した特別講演を行いました。

マイクロバイオームとは人体の体内外の微生物群のことで、乳酸菌などが含まれる「腸内フローラ」を包括する、人体に関わる体内外の微生物全体を指しています。

マイクロバイオームの95%以上が腸内に存在していますが、微生物は目に見えないほどの小ささで、重さはヒト細胞の1〜3%程度しかありません。

しかし、細胞数ではヒト細胞の約10倍あり、人体に100万個以上もの遺伝子を提供してくれている、私たちが生きていく上で欠かせない存在なのです。

「これまで私たちの健康と病気の診断、また治療薬の開発には、人体そのものに焦点を当てて処置してきました。しかし、これからはマイクロバイオームを含めて、私たちの人体とマイクロバイオームを“生命の完全体”という観点で見る必要があります。」

と説明し、マイクロバイオームが健康に与える影響は非常に大きいのだと語りました。

人体のDNAは人間同士で99.99%が同一であり、ほとんど変化することはありません。

しかし、マイクロバイオームは10%も同じものはなく、個人によって異なっており、さらに年齢を重ねたり生活習慣などで変化していくため、個別化戦略が拡大していくのだと語ったキムさん。

そしてマイクロバイオームを用いた個別化戦略を進めていくためには、良質なデータベースが構築されているかが重要となってくると説明しました。

 

「マイクロバイオームの分析に最も重要なのはデータベースの構築」

続いて「マイクロバイオームのデータ確保の課題とデータバンクの可能性」と題したトークセッションに登壇したチ代表は、マイクロバイオームの分析について、

「マイクロバイオームの分析に最も重要なのは、データベースの構築です。いかに多くの方から、いかに質の良いサンプルを獲得できるかが重要であると思います。」

と説明したほか、マイクロバイオーム自体が非常に複雑で、同じサンプルだったとしても、保管する温度などのさまざまな要素で結果が全く違ってくるため、検査方法・結果を同一にし、良質なサンプルを活用できるのかが課題だと語りました。

キムさんも、

「今までは“どの菌がいるか?”ということばかりが注目されていましたが、この菌たちが何をして、何を作るかというのも非常に重要なポイント。代謝産物(メタボライト)の分析になりますので、メタボロームと呼ぶのですが、菌の種類だけでなくメタボローム研究も非常に重要になってくると思います。」

と語りました。

その後、チ代表はHEM Pharmaの特許技術である「PMAS」で行われるデータ収集・分析方法などについて説明。

アメリカの国家機関のデータ収集と比較しても3倍以上のデータ量を誇ると語ったチ代表は、このマイクロバイオームのデータを生かし、将来個人ごとの病気リスクの分析や予測といったアルゴリズムを構築することで、ヘルスケア産業でもYouTubeやAmazonが起こした大きな変化(革命)が起きると語りました。

イベントの最後には、日本アムウェイの社長を務めるイリーナ・メンシコヴァさんが登壇。

「健康寿命の延伸は単なる健康の目的ではなく、社会にとって差し迫って解決できる課題です。(今回の提携で)HEM Pharmaと共に、日本をマイクロバイオームを活用したパーソナライズ社会の先進国として、そのモデルを世界へと広げていきたいと考えています。」

と今後の展望をコメント。

イリーナ社長は今後、包括的なウェルネスプログラムを提供していく予定と語っており、データ収集・分析が進むことで、私たちが健康に暮らす一助となる可能性を示唆しました。

HEM Pharmaによって、これまでの均一化したヘルスケアから、パーソナライズされたマイクロバイオームサービスを活用したヘルスケアが当たり前となる時代が、まもなく訪れるのではないでしょうか。

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