1960年に創業したフジッコ株式会社(以下、フジッコ)の看板商品「ふじっ子煮」は、355億円とも言われる昆布市場規模のうち、シェア50%以上を占めるトップシェアブランド。
昆布と言えば「出汁に使うもの」という印象を払拭させ、ご飯のお供としての人気を高め続けている「ふじっ子煮」は、歴史的に大きな一歩を踏み出す「生昆布」を使用した新商品「おやさい昆布」を2022年9月より販売開始し、現在全国の小売店にて好評発売中となっています。
フジッコの看板商品「ふじっ子煮」
ふじっ子煮は、フジッコが提供する昆布の佃煮シリーズで、現在14種類(うち、2種類が塩分控えめシリーズ)が発売中。
デビューから52年と半世紀以上に渡って日本の食卓に並んできたふじっ子煮は、発売当時は販売後たった7年間で1億パックを売り上げる程の革命児だったのだとか。
そんな昆布の佃煮の歴史を作ってきたフジッコの「ふじっ子煮」は、現在昆布佃煮市場で50%を超えるシェア率トップのブランドとなっています。
現在も売り上げを順調に伸ばしており、米の消費量が減少傾向にある中でも毎年売り上げが伸び続けているそうです。
昔は「大きな釜での手作り製法」だったふじっ子煮も、技術の進歩によって多くの家庭に変わらない味をたくさん届けることが出来る製法へと進化。今も研究を日夜続けられています。
そのふじっ子煮は2022年9月、新たな挑戦を開始。これまで使用していた「乾燥昆布」ではなく、収穫後すぐに乾燥せず冷凍保存を行う「生昆布」を使用した新商品「おやさい昆布」が、2022年9月1日より発売となったのです。
生昆布を使用する理由は「生産者への支援」だった
昆布漁の工程には、出荷までの間に「乾燥」をさせる作業があります。これまでは、昆布を岸に並べたりなどの乾燥作業を手作業で行なっており、膨大な労力が掛かっていたとフジッコ企画担当の坂本雅美さんは話します。
乾燥作業は収穫後、数時間を掛けて乾燥場(岸など)に並べるもので、身体的負担が非常に大きいものだったそう。水を吸った昆布は非常に重いほか、大量にある昆布を並べるため、漁師の方々は家族総出で乾燥作業を行っているのだとか。
この乾燥作業の代わりに「冷凍保存」を行うことで、生産者である漁師の方々への負担を大きく低減することが出来ると話し、高齢化や後継者問題が深刻化しつつある昆布漁師への支援にも繋がっているのだと説明されました。
商品開発も難航
また、今回の商品はこれまで扱ったことがない「生昆布」を使用した商品のため、商品開発も難航したと、フジッコの開発担当である森本直也さんは話します。
「今まで弊社の佃煮を生産するラインは、全て乾燥昆布を使用することが前提となっており、生昆布を大量生産で使用するラインは持ち合わせておりませんでした。」
と話されており、そもそも水揚げ昆布を「どういう切断をして」「どういう保管をして」「どういう処理をおこなって」佃煮を炊き上げるのかなど、全てが未知の連続だったそう。
「乾燥昆布は固い状態からのスタートなので、柔らかくし、切断し、さらに柔らかくして佃煮として炊き上げていく。
しかし、生昆布はそこまで固くないというのもありますが、冷凍状態で保存されているので、“どう解凍しつつ処理をしていくのか”、といった技術の部分が1番苦労しました。」
と話され、試行錯誤を繰り返しながらも開発を行ってきたと説明されました。
「おやさい昆布」には昆布以外にも「れんこん」「たけのこ」「ごぼう」の根菜が入っていますが、これも様々なバリエーションを試してみたそう。
人参や切り干し大根といった比較的合いそうなものから、ピーマンなどの野菜まで含め、試作品は20品以上となったそう。その中で吟味した結果、現在の3種の根菜に決まったそうです。
森本さんは、
「もちっとした食感とハリツヤのある新鮮な見た目が特徴の生昆布と、一緒に入っている3種の野菜との相性も抜群です。
これまでになかった新しい味と食感に、昆布の新しい美味しさを楽しんで頂けると思います。
今後も伝統的な乾燥昆布も大切にしながら、この新しい生昆布の美味しさを活かした商品づくりにも引き続き、挑戦します。」
とコメント。今後も生昆布を上手に使い、生産者の支援にもなっていく生昆布を使用した製品を展開予定であることも話します。
坂本さんは、
「ロングセラーのふじっ子煮をはじめとする昆布製品と、それだけでなく目新しさのある美味しい昆布製品、面白い食べ方などもどんどん発信していきたいと思いますので、ぜひ昆布に興味を持って、久しく食べていない方も思い出して頂き、(昆布を)食べるきっかけになって頂けたら嬉しいです。」
とコメントされていました。
商品詳細
●ふじっ子煮 おやさい昆布
発売日:2022年9月1日
発売エリア:全国の小売店
内容量:63g
標準小売価格:267円(税込)
商品サイズ:138×138×24mm
保存方法:要冷蔵
賞味期間:90日
おやさい昆布の美味しい食べ方
おやさい昆布は、ゴロゴロした根菜がたっぷり入った、よりおかずに近づいた昆布の佃煮。
しっかりとした味付がされているため、特別な味付けをせずとも「混ぜたり」「載せたり」するだけで、つゆやタレいらずで美味しいアレンジレシピが完成します。
管理栄養士の本多京子さんによって、豆腐の上に載せたり、納豆やうどんに混ぜるだけでも非常に美味しいアレンジレシピが考案されています。
その中でもフジッコ1番のおすすめは、「おやさい昆布の月見うどん」だそう。
おやさい昆布が「甘めの醤油味」となっており味も濃い目のため、めんつゆなども一切いりません。
調理も「おやさい昆布とうどんの麺を電子レンジで加熱」した上に「卵黄を落とし」、「好みで長ネギを入れて完成」という手軽さ。
もちろん食べ応えも十分で、ぜひお昼ご飯に食べて欲しい一品となっています。
フジッコが新たに取り組んだ「生昆布」を使ったふじっ子煮の製品化は、昆布漁師の支援を行うだけでなく、新たな昆布佃煮の可能性を見出すことにも繋がります。
食べ応えも十分で不足しがちな野菜もしっかり摂れる、ご飯のお供やアレンジ料理にも最適な一品。
普段からふじっ子煮を食べている方はもちろん、食べる習慣がないという方も、ぜひ一度「おやさい昆布」を食べてみてください。
フジッコ公式:https://www.fujicco.co.jp/