新緑の時期も過ぎ、間もなく梅雨の季節が到来します。梅雨に入ると、どんよりした気候によって部屋の中も私たちの心身もじっとり重くなりがちです。そこで今回は、アーユルヴェーダの観点から、この季節を健康的に乗り切るために積極的に取り入れたい食材を、ドーシャごとにご紹介します。
そもそも、梅雨はどんな季節?
雨が続いて嫌だな…。と思われがちな梅雨ですが、大自然の法則から考えるとどうなのでしょうか?長雨が続くため、作物は水分を蓄えてみずみずしく育ち、その雨量により山の養分が川や海に流れ水の中の生物にも行き渡ります。一方で、空は雨雲に長い期間覆われるため肌寒く、じっとり重い湿気が漂います。
アーユルヴェーダからみる梅雨①
アーユルヴェーダでは、季節の過ごし方をとても重要視します。季節は人間が変えられない自然の法則そのもの。その大きな影響は計り知れません。でも、自然の法則を知り、自然に沿った生活をしていれば、いつでも私たちは快適な生活を送ることができるのです。
※スロータス…体内に20000本以上流れている目に見えないエネルギーラインのこと。
アーユルヴェーダからみる梅雨②
アーユルヴェーダでは、古くから6月中旬頃が1年の中で最も体力が低下するといわれています。冬至から徐々に日照時間が増え、少しずつ暖かくなり、次第に暑さへと変化していきます。人間は暖かさによって活動的になりますが、暑さにより体力を奪われていきます。では、私たちの実際の生活ではどうでしょうか?
ご自身がどんな体質か調べたことがない方、改めてチェックしてみたい方は、ぜひ「アーユルヴェーダの「ドーシャ占い」とは? 自分の体質を診断しよう!」でドーシャ診断をしてみてください。
【ドーシャ別】梅雨の季節に取り入れたい食材
ヴァータの梅雨の食材…牛乳や体温を上げるスパイス
肩こりや頭痛が続いてしまうなど、ヴァータの乱れがある時に気をつけたいのが、「肌寒さ」。梅雨の不安定な気候と寒さは、ヴァータを悪化させます。また、空調や薄着による寒さもヴァータに影響を与えます。さらに、春を活動的に過ごした場合もヴァータは蓄積しているのです。
ピッタの梅雨の食材…完熟のフルーツ
ピッタは梅雨時期から秋まで増えていきます。ピッタが増えるとイライラしたり、怒りっぽくなったりといった感情面の不調や、猛暑による灼熱感により冷たい食べ物や飲み物を取り過ぎた結果、消化力や体力の低下につながり、夏バテを招く原因になることも。
また、ピッタ体質の人は雨の日はゆったり過ごすこともいいでしょう。雨の音は心と体を落ち着かせてくれます。
カパの梅雨の食材…代謝を上げるスパイスや梅干し
気分も体も重くだる過ぎる、常に眠気を感じているといった不調は、カパが乱れがちの時。カパが増えると「安定性」という性質から、「動くこと」が嫌になり結果として体重増加を招くこともあります。カパ性の症状を落ち着かせるには、刺激を与えたり、アグニといわれる消化の火を正常に働かせたりといったことが大切です。
梅干しは日本人のアグニを強めてくれる伝統料理です。おばあちゃんや、お母さんに作り方を聞きながら一緒に作ってみるのもいいですね。ただし、カパ体質の方はむくみやすいので、塩分の取り過ぎには注意しましょう。