奄美大島(鹿児島県)のみで製造が許されている黒糖焼酎。その代表的な銘柄の一つが『れんと』だ。モーツァルトやベートーベン、ビバルディなどのクラシック音楽に包まれて熟成する、まろやかでやさしい口当たりと、洗練されたさわやかな香りに、改めてうっとりしてみたい。
クセの無さがクセになる! ダイエット民にもやさしい香り豊かなお酒
鹿児島と沖縄の中間に位置する奄美大島。米軍統治下から日本復帰した1953年、特別にさとうきび/黒糖を原料にした酒造りが認可され、誕生したのが黒糖焼酎だ。その流れで、いまだに黒糖焼酎は奄美大島(奄美群島)限定の希少なお酒として、島民に愛され続けている。近年は島外でも簡単に入手できるようになった。
南の島のお酒というと、沖縄県の米(黒麹)由来の焼酎・泡盛の濃厚な味わいが有名だが、奄美大島の黒糖焼酎は焼酎独特のクセがなく、ふんわりした甘い香りが特徴だ。
なかでも定番ブランドの、奄美大島開運酒造(鹿児島県)『れんと』(900ml瓶・実勢価格 税込1,177円・発売中)は、飲みやすさと香りの良さに定評のある焼酎だ。
『れんと』の特徴は「音響熟成」。奄美大島の霊峰・湯湾岳の伏流水をたっぷり使い、モーツァルトやベートーベン、ビバルディなどのクラシック音楽に包まれながら約3ヶ月の間熟成してできあがる。名前も「ゆるやかに、ゆっくりと」を意味する音楽用語のLentoから来ている。ラインナップの中心は、焼酎としてはそれほど高くないアルコール度数25度の製品だ。
黒糖焼酎『れんと』を飲む! 氷がほとんど溶けてもおいしさがサステナブル
記者は一時期、奄美大島に住んでいたことがある。そこでさまざまな黒糖焼酎のブランドの味を確認したのだが、とくにおいしいと感じたのが、この『れんと』。黒糖焼酎を飲んだことがなくても自然においしいと感じることのできるハードルの低さ。クセの無さでどんな食事にも合う食中酒としてあっという間に気に入ってしまった。
それではあらためて、『れんと』を味わう。かつて習慣だった、氷たっぷりのロックで味わいたい。
グラスに注いでいる段階で、やさしく甘い香りがやってきた。洗練されて、上品で、誰もが好きな香り。焼酎のクセの強さにウッと来ていた人は驚くはず。知らないと、焼酎とさえ気づけないかもしれない。
飲むと、トゲのない柔らかでほのかな甘みが伝わってくる。アルコール感も尖っていないから、まろやかな旨味をゆっくりと楽しめるタイプだ。
焼酎入門者でもスッと入れるシンプルなおいしさだが、慣れていてもおいしい懐の深さ。氷が少し溶け出すとまたおいしい。自然由来のおいしい水と、少しだけトロッとしたテクスチャーに少しの甘みというハーモニーがたまらない。
食事に夢中になって、ほとんどロックの氷が溶けて薄くなってしまっても、相変わらずふんわりとした香りでおいしいままなのが不思議だ。そんなところが、『れんと』の最大の魅力なのかも知れない。
入手は全国のスーパー、酒類取扱店で可能だ。
※お酒は20歳になってから