長時間のデスクワークは死亡リスクを40%も高くするというデータがあります。これはデスクワークが心臓に負担をかける作業だからです。本来、下半身を巡った血は足の筋肉のポンプ効果で戻ってくるもの。座ったままのデスクワークではポンプ機能が働かず、心臓に負担がかかるのです。
デスクワークが体に負担をかける
明治維新を経ていろいろなものが西洋化する中で、椅子と机の文化に変わったのが日本です。現代日本で肩こりや腰痛に悩む人が多いのは、まだまだ日本人が椅子と机に座るデスクワークに慣れていないからかもしれません。
じつは、日本人が1日に座っている平均時間は420分。サウジアラビアと並んで世界第1位です。ちなみに、第2位はノルウェーやリトアニアほかの360分、第3位がカナダやスペインほかの300分になります。
そして、デスクワークで座っている体勢は、体にすごく負担をかけているのです。1日11時間以上座る人は、4時間未満の人に比べて、死亡リスクが40%アップ。オーストラリアで45歳以上の男女22万人を対象に調査したデータです。
デスクワークが心肥大の原因になる
なぜこのようなデータになるかは、血液の流れにカギがあります。心臓から流れ出た血液は足に行きますが、足には心臓がないため、血液は惰性で戻ってくるしかありません。
ここで惰性でなく血液を心臓に戻してくれるのが足の筋肉。足の筋肉が動くことによるポンプ効果が、じつは血液を心臓に戻してくれているのです。
デスクワークで足の筋肉活動が少なくなると、心臓にそれだけ負担がかかるということ。心肥大の原因になってしまいます。その結果、循環器系の疾患による死亡率が上がってしまうというわけです。