血液中の中性脂肪を減らすと、体にはさまざまなよいことがおこります。「血管の若狩り」「肥満の解消や予防」「脳梗塞や心筋梗塞の予防」「肌がきれいになる」などです。中性脂肪を減らすカギを握っているのが「AMPキナーゼ」。AMPキナーゼが中性脂肪を減らすメカニズムを見ていきましょう。
中性脂肪を減らすのに役立つ物質
中性脂肪が血管のなかにいっぱいあると、血液がドロドロしてきます。逆に、中性脂肪を減らすと血管の流れが非常によくなるのです。すると、毛細血管まで血液が巡って新陳代謝がアップ。肌がきれいになるのです。
そして、中性脂肪を減らすのに役立つ物質として注目されているのが「AMPキナーゼ」と呼ばれる酵素。これまで血糖値を下げるメカニズムとしては、ホルモンとしてのインスリンしか知られていませんでした。
そのインスリンとはまったく違ったやり方で、血糖値を下げてくれるのがAMPキナーゼ。ふだんはスイッチがオフになって何もしていないのですが、いったんスイッチがオンになって働きだすと、筋肉の細胞のなかから働きかけて、血液中の糖を抜き取ってくれるのです。
糖を引き込んで中性脂肪を減らす
血液中に糖が増えると、インスリンという物質が分泌されて、この糖を細胞に届けます。しかし、すぐに使われずに余った糖は中性脂肪に変化するのです。これが中性脂肪の数値を引き上げます。
しかし、このときふだんは筋肉のなかで眠っているAMPキナーゼが活性化すると、インスリンがなくても糖を筋肉に引き込んで使ってくれることがわかったのです。その結果、糖が中性脂肪に変わりにくく、血液の状態も改善。中性脂肪を減らすことができるというわけです。
ちなみに、血糖値を下げる物質の証明は、90年前にインスリンが発見されて以来の快挙といえるものなのでした。
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