厚生労働省は2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になると発表。日本にとって大きな問題です。じつは認知症と大きな関係があるのが睡眠負債。フィンランドのヘルシンキ大学の発表によれば、睡眠が7時間未満の人は認知症リスクが1.6倍となるのです。睡眠負債でなぜ認知症リスクが上がるのでしょう?
睡眠負債で認知症リスクが高まる
昔は睡眠といったら、単なる休息だと思われていました。しかし、最近の研究結果によって、病気と関連があることがわかってきたのです。なかでも注目されているのが、睡眠負債と認知症リスクの関係になります。
なぜ睡眠負債が高まると、認知症リスクが高まるのでしょう? スタンフォード大学の研究によると、マウスに睡眠制限をかけると、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβがマウスの頭に沈着するというデータが出ています。
アミロイドβとは、日中の活動によって発生する脳の老廃物のこと。神経細胞を傷つけて、脳の働きを衰えさせてしまうのです。このアミロイドβが睡眠制限で沈着する現象は、野球場のゴミをイメージするとよくわかります。
睡眠負債で脳の老廃物が溜まる
試合中に観客から出るゴミを回収しようとしても、人が多くてなかなか作業は進みません。しかし、試合終了後に観客がいなくなった状態でゴミを回収すれば、ゴミはきれいに片づけられるでしょう。
このように、よく眠っているときにこそアミロイドβは効果的に除去できるもの。しかし、睡眠負債が高まるということは、それだけ十分な睡眠がとれていないことを意味します。正常にアミロイドβが除去できていません。
睡眠負債によって脳の老廃物が溜まって、認知症につながる可能性があることが最近の研究でわかってきました。だからこそ、質のよい睡眠をとって睡眠負債を減らしていかないと、認知症のリスクが上がってしまうのです。
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