速筋で発生した乳酸は、遅筋や心筋のエネルギーとして再利用されます。しかし、乳酸の再利用はそれだけではありません。じつは肝臓で、運動のエネルギーとなる糖が作り出されます。そこでカギとなるのが血液循環。だからこそ疲れをとるのに、お風呂が効果的だったのです。
肝臓の処理が疲れをとる主役
乳酸が筋肉以外で再利用されるのは「肝臓」。肝臓は、私たちが生きていく上で重要な化学処理を数多く担っている臓器です。
筋肉の速筋で発生した乳酸は血液中にどんどんあふれ出します。一部は再び筋肉に取り込まれて、遅筋や心筋でエネルギー源として利用されますが、残りは肝臓まで運ばれて処理されるのです。
そして肝臓で化学処理された乳酸は、再び運動のエネルギー源となる糖になります。運動後、クールダウンも終えた日常生活に戻った場面では、この肝臓での処理が疲れをとる主役になるのです。
血液循環がよいと疲労回復が促される
ここで肝臓へ乳酸を運ぶ役割は血液が果たします。これは血液循環がよいほど、乳酸は効率よく肝臓に運ばれます。肝臓に運ばれて体内から乳酸が減少すると、それにともなって疲れがとれるということ。すなわち、血液循環がよいほど、疲労回復が促されるということです。
血液循環をよくする代表例が、入浴やマッサージ。入浴は温熱効果と水圧によって、血液のポンプ作用を促します。マッサージは筋肉を揉みほぐすことによって、筋肉自体の血行促進を働きかけるものです。
入浴もマッサージも、どちらも気持ちイイと感じる行為。これは血液循環がよくなって乳酸が肝臓に運ばれる効率が高まることと無縁ではないでしょう。
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