インナーマッスルを鍛えるとダイエットに効果があることはよく知られていますが、なんと脳の活性化にも効果的なのです。運動が脳の活性化に大切なのはよく知られていますが、なかでもインナーマッスルが効果的というのはこれまで明らかになっていませんでした。
脳の活性化にインナーマッスル
これまで、運動が脳の活性化に大切であることは昔からよくいわれてきたこと。ただし、どういう運動をしたらよいかはあまりハッキリしていませんでした。それが最近の研究で、だんだん明らかになってきたのです。
じつは脳の活性化にはインナーマッスルが効果的。従来のウェイトを使った筋トレや有酸素運動のウォーキングなどよりも、体の深いところにあるインナーマッスルを使ったほうが、はるかに脳の活動が盛んになることがわかってきたのです。
たとえば、通常の筋肉トレーニングを行っているときとインナーマッスル運動をしているときの脳内の血流を調べてみます。すると、インナーマッスル運動時のほうが明らかに活動領域が広く、活動量も多いことがわかるのです。
脳の活性化で認知症の症状が軽減
実際、インナーマッスルによる脳の活性化は病気の治療にも使われています。脳血管疾患によって半身不随になる人がインナーマッスルを使う動きをすると、だんだん体が柔らかくなるとともに脳の柔軟性もアップ。動きに対しての感覚が戻ってくるのです。
さらに、インナーマッスルと脳の活性化について研究によって、脳に関する驚くべき新事実が判明しています。インナーマッスルのトレーニングをやっていくと、脳の活性化により認知症の症状が軽減するというのです。
実験では、男女9名の認知症患者に3種類のインナーマッスル運動を1回30分、週2日を3か月間にわたって実施。すると、問診による認知症テストの結果が、インナーマッスル運動の開始前と3か月後で、9名中6名の点数が向上したのです。