野球の練習には「繰り返し学習」が外せません。繰り返し学習は運動神経をよくするためには欠かせないからです。一般に運動神経とは運動動作のスピードと正確性を意味します。繰り返し学習によって、脳からの信号がまっすぐ目的の筋肉に向かうことで正確性が高くなって動きのスピードが上がるのです。
野球のバッティング練習で疎通する
野球のバッティング練習では「思ったところにバットは行ったか」「ボールとはどれだけ離れていたか」「速く振れたか」などの情報が目や神経から脳にフィードバックされています。そして、さらにバットをボールに当てるための情報が脳から筋肉へ伝えられる仕組みです。
すると、バットを振るのにかかっていた時間が0.5秒から0.4秒、0.3秒といったように速くなっていきます。これはそれだけ、脳細胞と筋肉の疎通がよくなっているということ。この脳細胞と筋肉の疎通こそが運動神経なのです。
このように運動神経を上げるには「繰り返し学習」が大切。繰り返すうちに、だんだんと速くてコントロールのよいバッティングができるようになります。運動動作が未熟なときは、信号が脳細胞をヨロヨロと伝わっているイメージです。
野球の練習には繰り返しが外せない
ただし、野球の練習での繰り返し学習によってスピードや正確性が身についても、長いあいだ練習をしなくなればスピードや正確性は落ちるもの。一度疎通した神経回路が閉じてしまったり、情報伝達速度が落ちたりします。
このため、一度体得したスピードや正確性といった運動神経も、ときどき刺激を与えてやらないと維持はできません。そのための練習を「強化学習」といいます。強化学習によって運動神経は保存されることになるのです。
いったん獲得したスキルをさらに上げるためには、より高度な繰り返し学習と強化学習が必要ということ。それによって神経の伝達能力を上げて、それを維持しなければなりません。これが野球の練習には繰り返し学習が外せない理由です。