京都・下京区のラグジュアリーホテル「デュシタニ京都」地下1階のタイ料理レストラン「アヤタナ」では、2025年7月1日より、新たなコーススタイルのタイディナーを提供開始しました。“六感”を意味するサンスクリット語「アヤタナ」の名にふさわしく、香り・味・音・手触り・視覚・心へと訴えかける構成に進化。従来の「とりわけ」形式から、少量ずつ一皿ずつ丁寧に供されるフルコース形式へと刷新されました。
五感を解き放つ序章
コースの冒頭には、ターメリックの香る「ヤードム」を飲み(かなり飲みにくいが体に効きそう!)、リーフ型の器でハーブ入りの冷水を注ぐ「ハンドウォッシュの儀式」で心を静める演出。訪れた瞬間から非日常が始まります。
前菜5品:葉、香草、スパイスが語る五つのプロローグ
【Miang Kam(メィアンクム)】
干し海老やピーナッツ、黒糖、生姜(しょうが)、ライム、ココナッツなどをキンマの葉で包んだ一口前菜。一口でぱくりといただきます。甘辛酸のバランスが絶妙で、ナッツの歯応えと共にタイの記憶が一気に蘇(よみがえ)るような味わい。
【Laab Kua Gai Baan(ラープ)】
京地鶏を用いたラープは、チェンマイ地方のスパイスで仕上げた本格派。香り立つミントやコリアンダーが鮮烈。
コース中最も辛い一品で、うまみの余韻とともに強く記憶に残ります。鶏皮のサクサクとした食感が、ほどよい箸休めに。
【Plaa Pla Dib】
タイの和え物は、伏見唐辛子とライムの酸味が爽やかに香り、ブルーの陶器に映える美しい一皿。
【Gai Yang Jaew Makuea-Tate(ガイヤーン)】
軍鶏(シャモ)のグリルは身が引き締まり、香ばしくジューシー。スモーキーなトマトレリッシュと温かいもち米(スティッキーライス)との相性が抜群です。
【Taengmo Pla Haeng】
甘い国産スイカと、削った干し魚の塩味、フライドエシャロットの香ばしさが混ざり合う宮廷風の前菜。まるでカツオ節のような魚の風味と、砂糖塩のハーモニーが印象的です。
メイン3品:旨みとスパイスが織りなす、主菜の三重奏
【Tom Kha Goong Isel(トムカー)】
豪華にも伊勢海老半身を使ったトムカー。ココナッツミルクのまろやかさとガランガル、レモングラスの香りが調和した、上品かつ奥深いスープが味わえました。ライムの酸味が全体を引き締めます。
【Kanom Jeen Gaeng Kati Pu】
ワタリガニの身をぜいたくに使った南部風カレー。ターメリックの鮮やかな黄色とキンマの葉の香りが特徴。
辛さが際立ち、野菜と一緒にクールダウンしながら味わう構成でした。米麺とともに。このカレーは次の料理と合わせていただくのがおすすめです。
【Pla In-See Tod Pad Makuea-Yao】
本日の白身魚はアマダイ。ナスと、豚ひき肉とエビのミンチの炒め物。ご飯が進みます。シャキシャキのレモングラスが複層的なうまみ。先ほどのカレーを合わせたら、これがまた合うのです!
デザート3品:香りと余韻で締めくくる、癒やしの甘味章
【Wan-Wan Yen-Yen】
クラッシュアイスに、スイカやライチなどの夏のフルーツを合わせ、パンダンリーフのシロップをかけたデザート。すっきりとクールダウンできます。
【1-Tim Durian】
自家製ドリアンアイスに、塩味のスティッキーライスとゴマのウエハース(カノムドークジョーク)を添えた濃厚な逸品。ドリアン特有の香りとコクがクセになる一品です。
【Ayatana Signature Tea Blend】
締めは、ベンジャロン焼の器で供されるジャスミンが香るチェンマイティーと、タイ伝統のスイーツ盛り合わせ。卵を使わずほろりと崩れるショートブレッドやココナッツ風味の干菓子、ピーナッツのアメなど、繊細な甘みがごほうび。
3種・5種のアルコールペアリングも用意
北海道のスパークリングワイン、紹興酒、冷えたフランス産オレンジワインなど、料理に合わせた3種のペアリング(6,900円)もいただきました。
なかでも、フルーティでコスメのような香りが印象的なオレンジワインが際立っていました。5種のペアリングもあります。
おわりに
アヤタナの新コースは、五感どころか“六感”を満たす構成。スパイスやハーブが織りなす奥深い味わい、器や香り、所作まで計算された演出が印象的でした。ラグジュアリーホテルならではの空間で、心身とともに満たされるタイガストロノミーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
デュシタニ京都「アヤタナ」タイディナーコース
2025年7月1日(火)~
18:00より一斉スタート
料金:22,000円(税込・サービス料込)
京都府京都市下京区西洞院通正面上ル西洞院町466 地下1階 ガーデンフロア
075-343-7150(代表)
定休日:火・水