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ココイチの創業者は極貧少年だった…成功したのは荒くれ者の養父のおかげ?




国内外に1487店舗(2020年2月現在)を展開する世界最大のカレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」。今や言わずと知れたビッグブランドだが、ココイチの創業者である宗次德二氏の育ちは貧しく、現在に至るまで並々ならぬ苦労をしていたとか。



 



 



■孤児院から引き取ってくれたのは、ギャンブル依存症の養父だった



 



宗次氏は物心がついた時には兵庫県の孤児院にいたため、実の両親の顔も知らないのだという。3歳の時に裕福な夫婦に引き取られたが、穏やかな生活は長く続かなかった。養父がギャンブルに依存しており、競輪のレースが開催される日には養母の財布から金銭を抜き取って出かけるように。さらに暴力も振るったため、やがて、養母は愛想をつかして出ていってしまった。



 



荒れた養父とふたりで生活することになった宗次氏は、貧困生活を余儀なくされた。たばこを買うお金もなかった養父は小さな宗次氏をパチンコ店に連れて行き、落ちた吸い殻を拾い集めるように言ったという。そんな暮らしのなかで宗次氏は「ひとりで強く生きていかねば」と思うようになる。



 



そんな養父は宗次氏が中学を卒業する頃にガンで急死。その後は別れた養母に再び引き取られた。貧しい少年時代を送った宗次氏だったが、養父を全く恨んではいないそうで、“暴力も振るわれたが、父が喜ぶ顔を見るのが幸せだった”というようなことを語っている。



 



 



■結婚後、喫茶店をオープン。妻の作るカレーライスが評判を呼び、「CoCo壱番屋」を開業



 



宗次氏は高校を卒業したのちに不動産会社に勤め、やがて妻の直美さんと出会い、結婚。その後、独立し事業も好調で順風満帆な日々を送っていた。しかし、ある程度生活に余裕ができてしまったことで、宗次氏は“目標もなく、ぐうたらしているな”と感じるようになったという。そこで新たな事業に挑戦せんと、昭和49年に名古屋で喫茶店「バッカス」をオープンさせる。



 



喫茶店は社交的な直美さんに任せ、不動産事業を継続するつもりだったという宗次氏だが、来店客の喜ぶ顔を見て、すぐに飲食店経営の虜になる。不動産業を廃業し、夫婦二人三脚で喫茶店を営んだ。



 



真心のサービスが評判を呼び、1年もすると「バッカス」には多くの客が訪れ、2号店「浮野亭」を開店するに至った。この時、メニューに加えたカレーが予想に反して大人気になり、宗次氏は“次はカレーの専門店を開業しよう”と考えた。



 



そうして1978年にオープンしたのが「カレーハウスCoCo壱番屋」の一号店だ。宗次氏は研究のために有名カレー店のカレーを食べ比べたが、最終的には直美さんが作るカレーがいちばん美味しいと感じた。その時の「ここのカレーが一番や」という思いが「CoCo壱番屋」の名前の由来になっているという。



 



−−宗次氏は2002年に引退し、2015年には喫茶店時代からの付き合いだというハウス食品に会社を譲渡。現在はクラシックホールの経営と社会貢献活動に専念する宗次氏は「目の前にいるお客さんに喜んでもらいたいという思いの原点は、養父がシケモクを喜んでくれたこと」と語っている。

 


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