古今東西のロボット・SFアニメ作品が共演するゲームシリーズ『スーパーロボット大戦』。今回は『新世紀エヴァンゲリオン』およびその劇場版が参戦したスパロボの注目ポイントと、エヴァ本編ではありえないスパロボならではの名場面をご紹介する。
■『スーパーロボット大戦F』/監督リクエストの“修正”シーン
1997年9月に発売された『スーパーロボット大戦F』および翌年4月に発売された『スーパーロボット大戦F完結編』は、エヴァが初めて登場したスパロボで、そのことがゲームの大きなセールスポイントとなっていた。
『F』で話題となったのは、脱走したエヴァの主人公・碇シンジが連れ戻され、ガンダムシリーズのブライト・ノアに“修正(鉄拳制裁)”されるシーンだ。これは、『機動戦士ガンダム』での「親父にもぶたれたことないのに!」という名台詞が登場する場面のオマージュだったのだが、実は、エヴァの監督である庵野秀明氏の要望で取り入れられたものだったという。
ほかにも『F完結編』には、絶望したシンジによって人類補完計画が発動してしまうバッドエンドが用意されているなど、初参戦ということもあってか、エヴァ絡みの見せ場が多いゲームとなっている。
■『スーパーロボット大戦α』/使徒と生身で!? 驚きの対決連発
2000年5月発売の『スーパーロボット大戦α』は、“αシリーズ”と呼ばれる長編シリーズの第1作目。『F』『F完結編』では登場しなかった劇場版が初参戦し、戦略自衛隊に代わって、『機動戦士Zガンダム』のティターンズがNERVを襲撃するというクロスオーバーが描かれた。
スパロボ内では、エヴァンゲリオンでなくとも使徒と戦うことができるのだが、『α』においては、それがイベントでも大々的に取り入れられているのが大きな特徴となっている。とくに『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』のキャラクター・衝撃のアルベルトが、第3使徒サキエルと拳を交えるシーンは印象的。衝撃波を操るとはいえ生身の人間が使徒と戦ったということで、プレイヤーに文字通り“衝撃”を与えた。
続編である2005年7月発売の『第3次スーパーロボット大戦α終焉の銀河へ』では、シンジが『機動戦士ガンダムSEED』の主人公であるキラ・ヤマトを先輩として導くなど、激戦を潜り抜けたパイロットとしての風格を見せ、ユーザーたちの間で話題となった。
■『スーパーロボット大戦MX』/クロスオーバーでさらに難解に?
2004年5月に発売された『スーパーロボット大戦MX』では、『α』と同様にテレビ版と劇場版が参戦している。同作品は、音楽のアレンジや選曲がファンの間で高い評価を得ており、エヴァからは、使徒の登場場面で流れる『ANGEL ATTACK』などが採用されている。
『MX』においてエヴァは、『ラーゼフォン』と密接に絡ませて描かれ、ゲームの世界観の中核を担っていた。しかし、ただでさえ複雑な設定の2作品がクロスオーバーした結果、シナリオが難解になっていると評されてしまうことも少なくない。
ゲーム終盤、惣流・アスカ・ラングレーの窮地に仲間たちが駆けつけるシーンでの、『マシンロボ クロノスの大逆襲』の主人公、ロム・ストールの「待てい!」という言葉に反応して、EVA量産機が動きを止めるくだりは、今でも語り草となっており、ネット上で話題にされることも多い場面だ。